得意先の接待など、食べ過ぎやお酒の飲み過ぎが続くと体調を崩しがちだ。たとえ食べ過ぎ・飲み過ぎたとしても、それをなかったかのようにカラダを復活させてくれる、ありがたい即効リセット術を紹介しよう。初回のプチ断食2回目の胃の不調対策 に続く最終回では、二日酔いの解消法をお届けしよう。

 接待や飲み会で盛り上がってしまい、つい飲み過ぎ…。吐き気、だるさ、頭痛など、何度経験してもつらい二日酔い。後悔先に立たず。昨晩の飲み過ぎをなかったことにできるような、つらい症状から素早く立ち直れるありがたい解決法は…。

 二日酔い対策に詳しい、自治医科大学附属さいたま医療センター消化器科講師の浅部伸一医師に取材して分かった即効リセット術は以下の通り。順を追って詳しく説明していこう。

二日酔いへの速効対処法
  1. 最初に水分補給。スポーツドリンクや味噌汁もお勧め。
  2. アミノ酸やビタミンB1を中心に補給。サプリメントの活用も。
  3. 頭痛がある場合、水分補給で治らない場合はカフェインも試す価値あり。
  4. 胃薬も即効性あり。胃酸を抑える薬や整腸剤、乳酸菌製剤、吐き気止めなどを服用。
  5. それでも治らない場合は医療機関で医師に相談。

カラカラの体に、まずは水分補給

 まずは二日酔いの原因について知っておこう。「アルコールの飲み過ぎによる脱水状態、体内で過剰に発生したアセトアルデヒドの作用、胃の炎症などが主に考えられています」と浅部医師が説明してくれた。それぞれ不調をきたす理由を理解したうえで、対策を講じるといいだろう。

二日酔いの主な原因は、アルコールの飲み過ぎによる脱水状態にある。(©sabphoto-123rf)
二日酔いの主な原因は、アルコールの飲み過ぎによる脱水状態にある。(©sabphoto-123rf)

 お酒を飲むと脱水状態になってしまうのは何故だろうか。「アルコール類には利尿作用がありますので、おしっことして水分を外に出してしまいます。加えて、おつまみには塩分過多のものが多く、これを排泄するためにも水分が使われてしまいます。二日酔いの翌朝の体内は、水分不足でカラカラだと思ってください」(浅部医師)。こうした脱水状態は、頭痛やめまいなど、様々な症状を引き起こす。

 このため、二日酔いの朝にまず行うべき処置は、水分を補給することだ。「特にお勧めなのは、塩分や糖分が含まれ、吸収もいいスポーツドリンクです。二日酔いのときは胃が荒れていることが多いので、真水よりは少し塩分が入っていたほうが胃にやさしく、刺激も少ない。さらに、尿の排出に伴って、糖分も不足していることが多く、これがだるさの原因になりますので、糖分の補給もある程度は必要です。冷やす必要性はなく常温が一番いいですよ」(浅部医師)。気持ち悪くなければ、塩分を含む味噌汁、水、野菜ジュースなど、自分が飲みやすいものを選ぶといい。

 ただし、スポーツドリンクを日常的に常用すると糖分過剰になる可能性があるで、そこは注意が必要だ。「スポーツ選手でも、スポーツドリンクの過剰使用によって糖尿病になる選手もいる」(浅部医師)という。

 ちなみに、お酒の飲み過ぎで急性アルコール中毒になって病院に運ばれる人もいるが、最初の処置は点滴になる。これは、血管の中に直接、水分を補給ために行うもの。つまり、病院でも飲み過ぎの患者に最初に施すことは水分補給というわけだ。

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