体内の糖分はNEAT生活で消費
胃の調子を整えるだけでなく、脂肪の蓄積を防ぐには、食べ過ぎで一時的に体内に貯蔵されている糖分を消費しなければならない。そこで伊達さんが勧めてくれたのは、「NEAT」(Non-Exercise Activity Thermogenesis:非運動性活動熱発生)と呼ばれる活動を増やすライフスタイルだ。働かない若者を意味する“NEET”ではない。
具体的には、食べ過ぎた翌日は、エレベータを使わないで階段を使う、電車では立つ、家事を積極的に行うなど、日常生活での活動量を高めるよう少し気をつける。これだけで、肝臓に一時的に溜まっている糖分を消費することができ、体脂肪に変わるのを事前に止めることができるという。
何も特別な運動は必要ない。ファッションモデルのように、立ったり、歩いたり、座ったりする際に良い姿勢を保つこともNEATに含まれ、相当なエネルギー消費になるのだという。このほか、四股を10回踏むだけでもいいし、肺を大きく動かす深呼吸を何回かするだけでもNEATとなる。
このNEATが広く知られるようになったのは、1990年代後半に米メイヨークリニックの研究グループが関連の研究発表を行ってからだ。私たちは毎日、当然のごとく体を動かしているが、ちょっとした身体活動で使われるエネルギー熱量(NEAT)は、1日に使うエネルギー量の60%にもなるとされている。
さらに、NEATの値が高い人は、呼吸をしたり、臓器を動かしたりする基礎代謝量も高いことがわかっている。基礎代謝とNEATを合わせれば、1日に使うエネルギー量の70%にもなるのだ。
最後に、今回紹介した緊急2日間ダイエット法を以下にまとめた。宴席が続いた際の体型維持のお役に立てれば幸いである。
- 食べ過ぎた後、18時間は何も食べない。ただし水分補給は必要。水か白湯、ほかには野菜ジュースやみそ汁などでもいい。
- どうしても固形物を取りたい場合は果物。
- 18時間経過した後はお腹にやさしい和食がお勧め。
- 18時間後の他のおすすめ食材は有害物質を排出してくれるもの。
- 「NEAT」(非運動性活動熱発生)を意識して、余分な糖分を燃焼させる。
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管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士、日本ダイエット健康協会理事

この記事は日経Gooday 2015年12月14日に掲載されたものであり、内容は掲載時点の情報です。
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