ビタミンB群の摂取が多い人に疾患リスクが低かった

 さらに研究では、日々口にする食事に留意すれば、疾患のリスクがさらに低くなる可能性が示されている。

 「野菜と果物を良く摂取する人たちでは、例えば食道がん(男性の扁平上皮タイプ)のリスクが低くなる結果が報告されています。飲酒習慣のある人は、これらの食材を積極的に取るように心がけるといいかもしれません」(津金先生)

 津金先生によると、飲酒習慣がある人においては、ビタミンB群の中でも特に「ビタミンB6」をたくさんとっている人たちについては疾患のリスクが低かったという。ビタミンB6を多く含む代表的な食材は、レバー、マグロやかつおといった赤身の魚に多く含まれる。

 「もちろん、だからといって特定の食材や栄養素を取れば、疾患のリスクを下げるという単純なものでもない。生活習慣病の要因にも関わる『塩分』『糖質』を控えること、さらに偏りのないバランスのいい食事をとることが大事。左党の場合、酒とともに食べすぎるおつまみなどにも気を配る必要があります」(津金先生)。

運動習慣がある人は、意外に酒量は少ない傾向にある

 一方、食に並んで、心がけたいのが定期的な運動習慣である。14万人を調査した結果では、運動習慣のある人は、三大疾病に罹るリスクが低かった。さらに、「適量飲酒」派でもあるそうだ。

 ちなみに、酒にかかわる生活習慣や嗜好品との組み合わせでは、「喫煙」が最悪であることは言うまでもなかろう。コホート研究からも、喫煙の習慣がある人では、酒量が増えるに従って、疾病リスクも著しく上がっていくことがわかっている(出典:Inoue M,et al.Br.J.Cancer;2005;92:182-187)。

 飲酒は適量を守り、休肝日を設け、食生活に留意して、適度な運動をする。これが14万人を対象に、長期に渡って追跡を続けた結果から導かれた、「健康であり続けながら、長く、楽しく酒と付き合い続ける」ための秘訣だ。

津金昌一郎(つがね しょういちろう)さん
国立がん研究センター がん予防・検診研究センター長
津金昌一郎(つがね しょういちろう)さん 医学博士。1981年、慶應義塾大学医学部卒業、同大学院 医学研究科にて公衆衛生学を専攻。日本人の食事、飲酒、喫煙など、生活習慣とがんの関係を長期に渡って調査研究する多目的コホート研究の主任研究者。著書に『科学的根拠に基づく最新がん予防法』(祥伝社新書)など。

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