私たちのもっとも重要な課題は、無理やりにでも口を動かし、「とにかく英語で意思を疎通させる」ことですので、相手の英語が少々不正確でも特に問題はありません。間違った英語を学んでしまうと心配する人がいるかも知れないですが、逆に、正しい英語を話す人とレッスンをしたとしても、それで正確な英語を話せるようになるという保証はどこにもありません。まずは、質より量です。

 またそもそも英語は、もはや本当の意味での世界語になっていて、例えば東南アジアで仕事をしたり、旅行をしたりする場合には、相手の話す英語にはなまりがあるのが普通です。さほど正確とも言えない英語を話すケースも多々あります。

 加えて言うと、英語の講師や会話の相手がノンネイティブであると、こちらもかなり気楽に話すことができます。これも「少々不正確な英語」で構わない大きな理由です。

 私自身は、英語がこのような形で崩れていくのは残念なことだと思っているのですが、今ではネイティブスピーカーよりはるかに多くの人が「ノンネイティブ英語」でコミュニケートしていますので、ある程度割り切ることも大切です。そもそも、国内だけで勉強して、流麗で正確な英語を話すことが出来るようになるかというと、その可能性はそれほど高くはありません(※)

(※)国内だけで学ぶ場合には、明らかに限界があります。この点をしっかりと理解しておかないと、「妄想の世界」に生き続けることになり、どこにも行きつけない(get nowhere)、もしくは挫折する(give up)ということになります。

フリーカンバセーションの罠を避ける

 オンライン英会話で注意しないといけない点はもう1つあります。それは、マンツーマンで話せるとなると、私たちはいわゆるフリーカンバセーション、つまり自由に話すレッスンを望む傾向が強いのですが、これだけを考えているとすぐに壁に突き当たります。なぜなら、決して自分が想像しているようには話せないからです。

 子どもと違って、大人の場合は話したいこと、話せること、つまり様々な知識や考え、意見をたくさん持っています。ですから、つい英語でもそれらについて話そうとしてしまうのです。

 ここにあるギャップは、とても大きな障害になるので要注意です。

 では、どうすればこの問題を解決できるのでしょうか。もっとも簡単な方法は、やはりテキストを使用することです。テキストといっても、もちろん、どのようなものでも良いというわけにはいきません。大切な点は、自分がやる気になるような内容であるという点と、「意味」が確実に分かるように工夫されているという点です。

 もっとも手っ取り早いのは、興味のある英文で、意味がすべて分かっているものをこちらから相手に送り、それを使ってQ&Aをし合うという方法です。いきなり英語でQ&Aをするのがハードルの高い人は、あらかじめ自分用にQ&Aを用意して少し練習しておくと高い効果を期待できます。

 きちんとしたテキストを使うと、講師の使う英語も正確になりますし、またそうでない場合でも、正しい英語と比較することが出来ますので一石二鳥と言えるでしょう。

 その際に、グーグル翻訳など何らかの翻訳ソフトを立ち上げておくと、さらに自在な会話が楽しめます。「英語を英語で」という学習方法が合っている人もいるかも知れませんが、リアルタイムで言いたいことを英語に翻訳し、それを自分で口に出して使うという方法も楽しいですし、良いトレーニングになります(※)

(※)グーグル翻訳の場合、英文を入力すると合成音声で読み上げてくれるので、音声のついていない英文でも使うことができます。これはかなり便利です。打ち込む日本語によっては、一回で正確な英語に翻訳されない場合もありますが、そんなときには、「Do you understand?」などと聴きながら、相手が分かるまで何度もトライすると中身の濃い練習ができます。