結構勉強はしているはずなのに思ったように英語が伸びない、効果を感じない――このような悩みを抱えている人がいるかもしれません。もちろん、これは単に「結構しているはず」と思っているだけのことで、実際には十分にしていないということもあり得ますが、そうでない場合もあります。今回は、勉強がうまくいかない理由を分析し、どのように対処すれば良いかについてお話ししたいと思います。

 基本的に、日本語ができるのであれば、英語が壊滅的になるということはありません。必ず一定のレベルまではいけます。この点はくれぐれも自信を持って下さい。

「集中」を理解する

 勉強には「集中」が大切だということは、私たちのだれもが理解しています。しかし、英語の場合、集中することがとても難しいという厄介な問題があり、多くの人がここでつまずいています。

 私も、今から振り返ってみると、この30年間ほど何をやってきたかというと、結局のところ、その4分の1ぐらいは「集中」というものが、どのような状態を意味するのかについて理解し、それを効果的に生み出す技術を模索してきたように思います。

 考えてもみてください。「日本語」でさえ、話に集中することはそれほど容易ではありません。なぜかというと、人はそれぞれ関心を持っていることや興味のあることが違うからです。たとえば、相手がいくらクリケットについて熱く語っても、あなたに興味が無ければ話に集中できませんね。

 また、私たちは1日の中でも、状況によって注意を向けることが違います。お腹がすいていれば、当然食べることを考えがちですし、何か悩みがあればそれについて考えがちです。もちろん、体調が悪ければ「土台」が無いようなもので、集中はとても難しくなります。

 よく理解しておかないといけないことは、そもそもが、私たちの頭の中は雑念だらけだということです。なぜかというと、脳はネットワーク的な情報処理をしているからです。普通のコンピューターと違い、ネットワーク処理の場合には、多数の異なる情報が同時に扱われます。様々な情報がつながり合っていると言っても良いでしょう。ですから、何をしていようと、「気が付くと、ふと別のことを考えていた」というようなことがごく普通に起こるのです(※)

(※)どのような作業においても、「注意を怠るな」ということがよく言われますが、それは脳がこのように、情報処理の性質からいって「移り気」だからです。

 このような状態を、とても分かりやすく明快に言い表している日本語があります。それは、「うわの空」です。「集中」と言われても、分かったようでよく分からないような点がありますが、「うわの空」と言われると、まさしくそれそのもので、誰にでもピンと来るはずです。

 さて、では、「うわの空」で聞いたことや読んだことは、記憶に残るでしょうか――残りませんね。「ゼロ」もしくは「限りなくゼロ」です。これでは学習効果が上がるはずがありません。

 「いや、ちょっと違う。英語についてはそれなりに集中して頑張っている」――そういう人もいるかもしれません。しかし、ここが危ないところなのです。

 例えば、結構集中力がいる練習であるシャドーイングをしていても「うわの空」になることがあります。シャドーイングでは、英語を聞き取り、それをほぼリアルタイムでつぶやくのですが、それでも、ある程度慣れてしまうと、それをしながら何か別のことを考えるというようなことが比較的容易に起こります。