もう1つの理由は、そもそもその心の余裕がないということです。英語の試験を受けるのに、どうして日本語の試験を受けないといけない? そんな遠回りをするぐらいなら、一問でも英語の問題を解く方がベターだと考えてしまうわけです。

 でも、もし本当にあなたがTOEICで苦しんでいるならぜひ一度TOJICに取り組んで見て下さい。TOJICは、まずリーディング・セクションからやりましょう。ほとんどの模擬試験では、答えが一目で分かるように、答えの選択肢を太文字にしたり、色を変えたりしています。そこで、正解が分からないようにするため、だれかに頼んで選択肢(の和訳)を打ち込んでもらいます。そして、その後、本文の訳をコピーしてノートに貼り付けます。これで道具立てが揃いました。あとは、紙に打ち出した選択肢を見ながら、問題を解くだけです。

 TOJICをやると何が分かるか。それは、いつもの苦闘がウソのように、楽々解けてしまうということです。もちろん、中には思わず間違いそうになる問題もあります。でも、それがTOEICの正体なのです。それ以下でもそれ以上でもありません。普段「英語」という視点から見ているとなかなか気づかないのですが、TOEICの内容は私たちが想像しがちな超難解なものではありません。日本語にした途端、だれでも簡単に800~900点程度は取れてしまうような平易な内容なのです。

 「そんなことは分かっている」――本当にそうでしょうか。何事も実際に体験しないと本当には分からない。それが人生の一つの重要な教訓です。ぜひ一度、上に書いたような手順でTOJICを解いてみて下さい。

TOJICを活用して攻める

 さて、あなたが実際にTOJICを作り、解いたとします。そして、実感として、「やさしい」と感じたとします。話はここで終わりません。いや、ここから始まるのです。せっかくわざわざ日本語バージョンを作って問題を解いたのですから、これを使ってちゃっかりとTOEICのための勉強をしちゃいましょう。あなたの中ではすでに内容についてかなり分かっていますし、手元にはしっかりとした「TOEIC的な日本語」とその元になった英文があるわけですから。

 方法はごく簡単で、ひとつは語彙です。知らない語彙を全部……などと考えず、日本語を見て、「これって英語でどうなるのだろう」と思うものだけを引き出し線をつけて書き出せばよいのです。つまり、日本語から英語を関連づけるのです。英単語の確認は、もちろん、元になった英文を参照します。こうするだけで、TOEICの語彙を300~400語程度は無理なく覚えることができます。2~3回分やれば、気楽に取り組んでも主要な語彙はカバーできます。

 あとは、音読です。TOEICは含まれている文法自体は決して難しくはなく、構造も単純なのですが、文そのものが長くなるきらいがあります。TOJICを見ると、どの部分がそういう長い(=難しい)英文か分かりますので、そこに対応する英文を徹底的に音読して下さい。そうすると、一気にTOEIC的英文に慣れていくことができます。もちろん、「気が向いたところの英文を音読する」でも構いません。日本語から入っているわけですから、怖いものなどありません。あまり構えず、伸び伸びと学習すれば良いのです。

 TOEICは難しくて手に負えなくても、TOJICならあなたはまるで別人のように高速で情報を読み取ることができます。なぜなのでしょう。ぜひ考えてみて下さい。そこに、TOEIC高得点への秘密が隠されています。

 「日本語の文脈を利用して語彙を増やす」、「日本語で快適にしっかりと意味をつかむ→英語を音読する」のパターンで英語そのものに慣れる――「急がば回れ」とはよく言ったものです。ぜひTOJICを実体験し、少しでも効果的にTOEICのスコアアップを目指して下さい。

 英語に関する限り、私たちの能力は30%程度しか引き出されていません。これはとても残念なことです。このコラムでは、どうすれば残りの70%の能力を発揮できるかについて、日本語を活用するという手法を中心にさまざまな観点からお話ししていきます。

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