50語読むのに3分しかかからない

 ここでも、発音が気になる人がいるかもしれませんが、初めは音声を真似するという形で十分です。英語は今や世界語で、色々な人が色々な発音で英語を話していますので、あまり気にしないようにしましょう。それよりも大切なのは「自信を持って読める」という点です。たとえ“根拠なき自信”でも構いません。自信を持って読むことができれば、意味は無理なく入ってきますし、そのうちつづりも覚えていきます。

 読み上げにもコツがあって、1回に50語ぐらいを読み上げることをお勧めします。50語というと驚く人もいるかも知れませんが、1語を読むのにかかる時間はせいぜい2秒ですので、2回ずつ読んでも4秒ということになります。つまり、50語読んだところで、50語×2回×2秒=200秒、つまり、たったの3分少々しかかりません。

 じつは、私はこれを高校生に対して実践したことがあります。週に7コマほど教えていたのですが、授業の冒頭に必ず50語を音読したのです。毎回50語読むということは、週に延べ350語となり、4週間で単語帳1冊が終わる計算になります。

 生徒たちも始めは乗り気がしなかったようですが、そのうち私が読み上げを忘れると、忘れていますよと指摘が入るようになりました。そのぐらい、「読み上げる」「読める」ということは、言葉の原点であり、語学の基本なのです。

 さて、これをビジネスパーソンに当てはめるとどうなるでしょうか。電車で通勤している人なら、少なくとも30分程度は電車に乗っていると思います。しかし、流石に30分間読み上げを行うのは疲れますので、真ん中あたりの、少し心が落ち着いた時点で5分間ほど読み上げをやってみてはどうでしょうか。5分間あると、約100語を読み上げることができますので、2週間で単語集1冊が終わります。もちろん、3分を2回とか2分を3回とかいったように分割しても構いません。自分のリズム、気分に合わせてやればよいのです。

 もちろん、1回ですべての単語を円滑に読めるようにはなりません。しかし、上の言葉をもう一度思い出して下さい。どれだけ困難な作業も、分割することによって容易になります。このような方法で、確実な一歩が踏めることは確かなのです。やり直しの方法として、「分割して攻める」以上の方法は考えにくいです。

 それに、一度読み上げた単語の音声は、あなたの記憶の「どこか」には必ず残っています。あとは、壁を塗るように何度も読み上げを行えば、1000語程度なら、それほど時間をかけずに全て読めるようになります。何でもないことのようですが、これだけでパーッと目の前が開け、大きな自信につながります。

 面白い方法としては、異なる単語集を2冊用意して読み上げるという方法があります。1冊目を2回ぐらい終わらせたあと、2冊目を始めると、当然ながら、ところどころに知っている単語が出て来ます。人間の脳というのは、同じ情報を違うパターンで学ぶと、より強く深く記憶されるように出来ています。私たちはよく「1冊を確実に」という事をいいますが、それはそれで意味はあるものの、異なるものをうまく利用すると、それ以上の効果を得ることが可能です。