「自分基準」で進める

 では、ちょっと計算しておきましょう。1つの単語を聴いて練習するのにかかる時間は、丁寧に練習しても、平均するとせいぜい3秒ぐらいです。ですので、2回ずつ練習しても6秒。あなたが、もし1日10分の時間を取るなら、10分=600秒÷6秒=100語の単語について練習できます。延べで考えると、10日でなんと1000語! 1カやれば、それだけで3000語にもなります。

 ここで、10分などと言わずにドンと20分にすればどうなるでしょうか。単純に、1か月で6000語ということになります。さらに、小分けにして、1日10分×3回にすると、なんと述べ9000語。これで英語に対する感覚が確実に変わりますので、やってみる価値は十分にあります。

 注意点があるとすると、それはくれぐれも無理をせずに、初めは自分がしっかりと聞き取れるスローな音声で練習するべきだという点です。決して「誰かの基準」ではなく、あくまでも「自分の基準」に合わせて学習して下さい。たまたま自分に合った速度が遅かったなら、十分にマスターした後に、110%さらには120%の速度に上げて、慣れてしまえば良いだけの話です。少々時間がかかったとしても、結局はこのようなアプローチが最高の効果をもたらします。

 昨今は、それこそもう剣山の上を歩いているような気持ち、あるいはお尻に火がついているような気持ちなっている人も多いかも知れません。よく電車の中で英会話の本や単語集を開いているビジネスパーソンを見かけます。しかし、焦って無理をしていては身に付くものも身に付きません。

 心配しなくても、人があなたよりも倍も言語能力が高いということはまずありません。もしそのように見える人がいるとしたら、その人はあなたの倍の努力をしているだけのことです。これは、暗い話ではありません。とても明るい話です。なぜなら、必ずその人のレベルに行き着けるのが明らかだからです。

なぜあなたに潜在力があるか

 さて、このようにして、たとえ意味までは分からないとしても、ニュースサイトなどに行ったり、英語試験の過去問などを見て、読み上げることのできない単語がほぼ無いという状態を作ると、それだけであなたの英語力は一気にレベルアップできる状態になります。なぜなら、あなたは「まったくのゼロ」からスタートするのではなく、「意味」(物事の概念)というものを、日本語を通じてすでに知っているからです。その量・質は「膨大」です。

 文法について気になる方もいると思いますが、これについてはこれからも私の開発した受信文法について触れていきます。文法は「英文を作る」という視点ではなく「筆者が伝えようとしている内容を受け取る」という視点から見ると、とてもシンプルになります。

 いずれにせよ、英語の学習は、真正面からぶつかるのではなく、情報を分散し、個別に攻めるという発想を持つと、負荷が低くなりますし、効果も上げやすくなります。

 英語に関する限り、私たちの能力は30%程度しか引き出されていません。これはとても残念なことです。このコラムでは、どうすれば残りの70%の能力を発揮できるかについて、日本語を活用するという手法を中心にさまざまな観点からお話ししていきます。

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