では、いったい何を使って練習すれば良いでしょうか。もっとも手っ取り速いのは単語集です。今時の単語集はすべて音声がついていますので、それを聴いて読めるようにするわけです。英文を使っても良いのですが、1つひとつ語句が切り離されている方がベターです。「意味」についてまずは気にしないようにして下さい。確認することは構いませんが、無理に覚えようとせず、とにかく「自信をもって読める」を目指して下さい。

発音はこうクリアーする

 ところが実際に始めると、1つの問題に直面します。それが「発音」です。「th」「f」「v」「l」「r」、「弱音のア」等々。また、英語では発音とつづりの関係が一致しないという悩ましい問題もあります。これが面倒だから英語が嫌いだという人も多いかも知れません。

 ではどうすれば良いかというと、つぎの2つのことを同時に行います。1点目は、まず「th」「f」「v」「l」「r」「s」など、文字を見れば分かる発音について丁寧に読み込んでいくこと。二点目は、「ルビで攻める」ということです。発音を身に付けるには、そもそもある程度の時間はかかるものです。練習を始めてすぐに上手くなることはまずありません。そこで、初めから無理に100%の正確さを狙わず、なるべく早く、多くの語句について、読めるようにしてしまおうという訳です。

 ところが、ここでもう1つの問題が生じます。それは、世の中に単語集はたくさんありますが、ルビの振ってあるものがまず無いということです。なぜでしょうか。その理由は、簡単で、ようは「カタカナ読みはダメだ。それをやるから発音が出来ない」という言説を頭に叩き込まれているからです。

 20年程度前ならそれも当たっていたのかも知れません。イギリス英語とアメリカ英語のみが「正しい英語」だったからです。しかし、今は時代が違います。シングリッシュ(シンガポール英語)という言葉がある通り、多くの人が「なまりのある英語」で話しています。ですからカタカナ読みであろうと、通じる限り、まず問題はありません。上に挙げた点について身に付けて、後はじっくりと仕上げていけば良いのです。

 それに、もしルビを使わないとすると、「では発音記号は読めるのですか?」という話になります。おそらく読める人はごくわずかでしょう。もちろん、耳から覚えることができるのならそれがベストですが、そのようにして発音を覚えることが出来る人は例外的だと思います。カタカナ読みはダメだ、でも発音記号は読めない、聴くだけでは身に付かないーーーこの矛盾の中で、たくさんの人が「自信を持って読めない」という状況に追い込まれているというのが実情ではないでしょうか(※)

(※)私の単語集にはすべて発音記号に加えてルビが振ってあります。これは、誤解を覚悟で判断したものです。また、スピークエッセンスやリッスントークには、コンパクトにまとめられた発音トレーニングが付いています。これは、すべて、「読めないと身に付かない」という考えに基づくものです。

 いずれにせよ、(多少不正確でも)「自信を持って読める」という点が、絶対のスタートラインですので、ここは決意を持って取り組んで下さい……といっても、要は「慣れ」の問題ですので、意志さえあれば必ず出来るようになります。