私たちは英語1つで四苦八苦しているわけですが、世の中には2つ以上の外国語を話せる人たちがいます。自分の母語以外に、2つ、3つの外国語を話せる人はもちろん、中には20もの言語を話せる人がいます。
もちろん、その流暢さにはネイティブレベルから普通に通じるレベルまでいろいろとあるわけですが、たとえ“普通に通じるレベル”であっても、2つ以上の外国語を話せるなどというのは私たちの想像を越えます。
オードリー・ヘプバーン
ご存知の方もいることと思いますが、「ローマの休日」でアカデミー主演女優賞を獲得し、今でも世界中で愛されている女優オードリー・ヘプバーンも、英語に加え、フランス語、オランダ語、イタリア語、スペイン語を話すことができました。ご興味ある方はネット上に各言語で話している動画がありますのでご覧になって下さい。とても流暢に上品に話されています。
彼女はこれらの言葉が話されている国で生活した経験があるそうですが、海外に長い間住んでも片言しか話せないといった例がたくさんありますので、やはり驚くほかありません。ちなみに、彼女が語学学校で学んだという話は聞きません。
多言語話者たちに共通するアドバイス
このように2つ以上の外国語を話せる人を多言語話者と呼びます。これまで長い間、彼らの存在そして実態は、ウワサの域を越えていませんでしたが、最近ネット上において彼らが積極的に発信しはじめています。そこで、私も数人の動画を見てみたのですが、たいへん興味深いことに、彼らのアドバイスには共通点があることに気づいたのです。
私が調べた限りでは、彼らが共通して主張している点はつぎのとおりです。
- ①まずはリスニングから入る
- ②文法から入るのは絶対に避ける
- ③ミスをしないと話す力は伸びない(=完璧主義では話す力は身に付かない)
- ④真似して覚えてしまう(=暗唱につながるところです)
- ⑤興味のある素材にこだわる
- ⑥語彙(単語・イディオム・コロケーション)が重要
全員に共通するのがこの6点でした。――そして私たちが見逃しているのも見事にこの6点です。これでは、話せるようになれないのも当然ですね。
以下に、これらそれぞれについて簡単なコメントをします。
①まずはリスニングから入る
ここで言う「リスニング」というのは、「リスニングテストを受けなさい」という意味ではではありません(※)。言葉を「音」としてつかみ取るという意味でのリスニングです。もう少し具体的にいうと、「音楽のように耳に残す」といった主旨のことを彼らは言っています。中には「Language is music.」とはっきりと指摘している方もいます。
文字というのは音を表わす記号に過ぎません。つまり、有効な学習順序はまず「音」で、「文字」はその後なのです。
もちろん、中には音よりも文字を通す学習法が得意だと言う人がいるかもしれません。でも、そのような場合でも、「文字が読めない」では学習のしようがありません。言葉は何よりも、音をつかむことが決定的に重要なのです。
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