グローバル企業にしたアドバイス

 この例から学べる教訓は実に単純です。世間では速読、速読といい、TOEICでも高得点ばかりが強調されるわけですが、速読などが出来なくても、ある程度の精度で英語を読む力さえあれば、あとは対訳付きのテンプレートを応用することで十分に実用に耐える英文を“手軽に”書けるということです。

 そして、もちろん、そのようにしてあれこれとテンプレートをいじって英文を書いていると、単に文法的に正しいだけでなく、英語としてしっかりと通じる、本物のライティング能力が身に付いていきます。

 費用対効果、労力対効果、学習そのものの質――これが意味するところはとても大きいと私は思います。

 昨年度の終わりに、ある技術系のグローバル企業の担当者の方から社内の英語化についてのご相談があり、またゾロTOEICという言葉が出てきましたので、今回ご紹介したような実践的な視点から検討された方が良いのではないですかとお答えしました。

 また、それに加えて、ESP(専門分野の英語)の観点や、AI(人工知能)を使ったデータベースの構築についても助言すると、さすがに世界を相手に凌ぎを削るトップレベルの企業で、私の真意を理解されたようでした。

 ほかにも驚くべき事例がありますので、つぎの機会にお話ししたいと思います。

“テスト”を理解する

 テストには“必ず”有益な点と無益、もしくは有害な点があります。“有害な点”といわれると、意外に思われるかも知れませんが、テスト関連の専門書には必ずこの点について書かれていて、「ハームフル・バックウォッシュ」(harmful backwash)と呼ばれています(※)

(※)有益な点を「ベネフィッシャル・バックウォッシュ」(beneficial backwash)といいます。

 日本では、この辺りのことがよく説明されないまま、また知られないまま、「とにかくテスト」という風潮があり、莫大な時間と労力が消耗されています。テストは使い方によっては、とても有用なツールですが、人材を消耗させていては本末転倒です。今回は、ぜひこの点について一考していただければと思います。

 英語に関する限り、私たちの能力は30%程度しか引き出されていません。これはとても残念なことです。このコラムでは、どうすれば残りの70%の能力を発揮できるかについて、日本語を活用するという手法を中心にさまざまな観点からお話ししていきます。

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