●パイロット
Southwest 1380 has an engine fire, descending.
(サウスウエスト1380便に火災発生。現在降下中)

(ポイント①)
 ここで「engine fire」に「an」(冠詞)が付いていることに注目して下さい。スクールグラマーでは、よく「可算名詞」とか「不可算名詞」とかいった言葉で解説をしますが、そのような分類はあまりお勧めできません。そもそも「fire(火)」はどちらなのでしょうか。直観的には「不可算名詞」でしょうか。しかし、ここで大切な点は、そのような分類ではなく、実際問題として「話し手自身」が「an」を付けており、そうすることで、「火」を「数えている」ということです。ですから、私たちもその話し手のメッセージを受け取り、「火」を、コーヒーカップやパソコンのように、輪郭を持ったものとしてイメージする必要があるのです。つまり、焦点は「可算」か「不加算」かにあるのではなく、「発信者自身」が「数えているかどうか」という点にあるのです。

(ポイント②)
 descendingについても、これは「Cか? Mか? いや分詞構文か?」と分類してもあまり意味がありません。ing形には「~して/~する」という基本の意味があると考えて下さい。そうすると、ここでは、「~して」を使うことで、「今降下しているところです」→「現在降下中」という端的でインパクトのある意味が伝わってきます。

●管制塔
Southwest 1380, you're descending right now?
(サウスウエスト1380便、現在、降下中なのですね?)

(ポイント)
 ここでは、descendingにyou'reが付け加えられています。これは、主語を明確にし、正確なコミュニケーションを取るためです。

●パイロット
Yes, sir, we are single engine descending, have a fire.
(そうです。エンジン一基で降下中、火災が発生しています)

(ポイント)
 ここでは、私はまずパイロットが「sir」と言っている点に感銘を受けました。「sir」というのは、とても清々しい敬語で、たとえば、ちょっとした会話でも若者が年上の人にこの言葉を使うと、相手にとても良い印象を与えます。航空機の交信において「sir」を使うのは、パイロットと管制官の間の慣習なのかも知れませんが、緊急事態の渦中にあって使われたこの「sir」には特別な印象を受けました。また、「We are」 の後に、直接「single engine」と言い、その後「descending」、「have a fire」と続けており、極めて端的に状況を再確認しています。