映画やドラマを活用する手順⑥ テキストと組み合わせる

 これは、上の⑤とも関連しますが、いくら映画・ドラマにパワーがあるといっても、それだけで話せるようになるのはかなり大変です。多種多様な語句や表現が使われていますし、シーンの切り貼りによってストーリーが組み立てられているからです。ですから、たとえば仕事で最低限のコミュニケーション能力を身に付けたいというような場合であると、それに関連した英語表現を扱ったテキストを併用することをお勧めします。

 イメージとしては、映画・ドラマで「心」を起動し、テキストでフォローをかけるという感じでしょうか。当然ながら、二つの間に関連性が強いほど、重複した語彙や表現が出てきやすくなりますので、学習効果は高くなります(※)

(※)この、「ストーリー性」と「すぐに使える表現」という2つの要素を関連付けた初心者用の英会話教材が、リッスントークです。

お薦めする映画の作品

 最後に作品についていくつか触れてみたいと思います。どのような作品を選ぶかは、人それぞれの好みですので、以下はあくまでも「きっかけ作り」と考えて下さい。

 まず映画は、ジブリの作品の英語版から入るというのも一つの方法かも知れません。たとえば、「もののけ姫」(Princess Mononoke)はとても丁寧でクリアーな英語になっており、日本語との差異も比較的少ないです(※)

(※)北米版であると、日本語と英語の音声の切り替えが出来るだけでなく、音声と字幕が一致しているので便利です。

 洋画であると、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(Back to the Future)などは、エンタメ性が高く、今見ても面白いです。少々長いセリフが多いですが、映画で笑って、台本(スクリプト)を読んでまた笑うという感じで、とてもよく出来ていると思います。

 意外なところでは、これもSF映画ですが、「マトリックス」(Matrix)は、内容の深さ・重さからは想像できないほど英語がシンプルで、ファンにはお勧めできます。

 ごく個人的なチョイスでは、「2010年」という作品が、丁寧に作り込まれた秀作で、何度観ても飽きません。ちなみにこれは、巨匠スタンリー・キューブリックによるSF映画の傑作「2001年宇宙の旅」の続編です。

お勧めするドラマの作品

 ドラマは、大きくシットコムとそうでないものに分けることができます。シットコムというのは、観客の笑いが入る形式のドラマで、10~15秒ごとぐらいに笑いのポイントが入る構成になっています。それが25分程度という、ニクイほど良く計算された時間内に詰め込まれていますので、ある意味で、とても手軽で学習効率が高いと言えます。

 弱点としては、たびたび笑いが入るため、何度も聞くと耳障りになりやすいという点と、内容的に軽いという点、また英語があまり綺麗でない(=発音がクリアーでない)というような点が挙げられます。

 人気度・知名度があって、かつ危なげなくお勧めできるドラマは「フレンズ」(Friends)でしょうか。また、ファミリーものの「フルハウス」(Full House)も良いかも知れません。これは結構古い作品なのですが、今どきの学生たちでもよく知っています。

 シットコム以外のドラマであれば、女性向けですが、「デスパレートな妻たち」(Desperate Housewives)は英語がクリアーですし、内容もいろいろな話題を扱っていて面白いと思います。大人向けというくくりであると、「ホワイト・カラー」(White Collar)がお勧めです。テーマは犯罪捜査なのですが、残虐なシーンがなく、とても内容が洗練されています。英語も、良質の英語です。

 以上、前回から今回にかけて映画・ドラマを利用して英語を学習する方法について書いてきました。映画・ドラマは、そもそも「学習用の素材」として作られたものではありませんので、私たちにはとてもハードルが高いですが、「心を起動する」(=集中状態を作る)という点において、これに勝る教材はありません。ですから、1本でも2本でも良いので、ぜひお気に入りのものを選んで活用するようにして下さい。必ずプラスになります。

 英語に関する限り、私たちの能力は30%程度しか引き出されていません。これはとても残念なことです。このコラムでは、どうすれば残りの70%の能力を発揮できるかについて、日本語を活用するという手法を中心にさまざまな観点からお話ししていきます。

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