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日本語の活用

 以下、それぞれの技術について簡潔にご紹介し、このプロジェクトの概要をお伝えしたいと思います。その前に、一つ念頭においていただきたい点は、私も彼らも、「日本語を活用する」という点に着目し、これを、いわば「学習の加速装置」としているという点です。

 これは決して偶然ではありません。

 私たちは、英語について日々悪戦苦闘していますが、実はすでに巨大な「言語リソース」を持っています。それが「日本語」です。英語も日本語も言葉である以上、共通点は必ずあります。それなら、上手く日本語を活用すると、英語の学習が加速されるはずだーーー論理的に考察を進めると、必ずこの結論に至るのです。

私の技術

 まず私の技術ですが、私は約30年をかけ、語彙から読解、速読、インスタントスピーチ(+質疑応答)、英文法、英会話等々、英語学習全般について360度、あらゆる点について考察し、理論・技術を開発してきました。

 具体的な例をいくつか挙げると、まず語彙(単語・熟語)については、「ごく普通の人」が1日25分、1カ月程度で、500~1000語を覚えることのできる手法を2種類開発し、いずれもベストセラーとなりました。

 その仕組みは、(後から考えると)あっけないほど単純で、要は、単語や熟語については、私たちはすでにその「意味」を知っている。それならあとは「英語の音とつづり」を覚えるだけじゃないか、ということでした。そういうことなら和文の中にピンポイントで英単語を入れてしまえば、日本語を読むような感覚で英単語を覚えることができるはずだと考えたわけです。

 もう一つの方法はさらに単純で、言葉は音声だ、それなら「英単語+日本語(意味)」の音声パターンを作って何度も聴けば、それだけで単語(と意味)は頭に入るはずだ、つづりは必要に応じて後からでも良い、という考え方でした。この方法に対しては、よく「多義語はどうすれば良いのでしょうか」と質問されるのですが、多義語だってまずは1つの意味から覚えていくしかありません。一度に全部を覚えるなんてできないのですから(※)。もし、その初めの一歩が超高速でできるなら、あとは簡単です。

(※)日本人のこのような生真面目な気質が、英語を習得する上で極めて大きな足かせになっています。私はよく「部分を攻めて全体を崩す」という言葉で表現するのですが、人間の脳は初めから完璧に物事が出来るようにはなっていません。でも、だからこそ、環境に対して柔軟に対応できるのです。

 文法については、「中学2年生」を相手に、分詞構文・独立分詞構文、仮定法と呼ばれる、一般的に難しいとされている項目を25分程度で解説・演習し、「とても分かりやすかった」という感想を引き出すことができます。また、文法・語法問題についても、いちいち頭を悩まして問題を解かなくても瞬時に正解できる裏技を開発しています。詳しくは、『英語の見方が変わる秘密の鍵』『映画「アルマゲドン」から学ぶ使える英文法』の回をご参照下さい。

 英会話については、15年近くもかかりましたが、「閉じたネットワーク」というコンセプトによる学習システムを発案し、これも商品化されてベストセラーになりました。

 ちなみに、このシステムは、当初英会話の習得を目標にしていたのですが、結果的には「多言語対応」の会話システムになりました。じつは、私も、自分自身(とアシスタント)を実験台にして中国語(台湾語)で効果を確認したのです。時間さえできれば、長年のあこがれであるフランス語を、ぜひこのシステムで学びたいと考えています。ご興味のある方は『実体験:文法のない英会話の世界』の回をご参照下さい。