「40社以上の経営とコンサルティングの結果、日本企業が抱える問題は1つの原因に集約されると確信した」──。そう語るのはマーケティングや企業育成で知られる西口一希氏だ。西口氏は、P&Gで紙おむつの「パンパース」やヘアケア商品の「パンテーン」といったブランド事業を手掛け、2006年にロート製薬に移ってから、スキンケアブランドの「肌ラボ」を年商20億円から160億円にまで育て上げた。さらにその後、ロクシタンジャポンの代表取締役社長として2年で最高収益化に貢献し、スタートアップのスマートニュースでは日本と米国のマーケティング責任者として、時価総額で1000億円を超える成長に重要な役割を果たすなど、手掛けるブランドを大きく成長させてきた実績を持つ。
その西口氏は近年、経営やマーケティングのコンサルティングに加え、調査・分析事業も展開しており、その過程で「企業が抱える問題の原因が見えてきた」と言う。問題の原因とは何か。西口氏は「急激に時代が変化、顧客が変化する中で、企業経営者に顧客が見えなくなっていることだ」と指摘、さらに「解決の方法も見えてきた」と話す。多様な事業で実績を積み上げてきた西口氏が言う「問題の解決の方法」とはどんなものなのか。どうすれば、顧客が見えるようになるというのか。
西口氏による連載「顧客起点の経営改革」をお送りする。