「お客様第一主義」「顧客目線」など、顧客のニーズや感覚を大切にする趣旨の言葉を多くの企業が経営の目標に掲げている。だが、そうした企業はビジネスの結果を左右する顧客の心を見ているのだろうか? 顧客行動の結果でしかない売り上げや利益など財務諸表しか見えていないのでは——。そう問いかける西口一希氏は、P&Gで「パンパース」や「パンテーン」などのブランドを手掛けた後、ロート製薬やロクシタンジャポン、スマートニュースの事業を成長させてきた。さらに、その経験を生かしてM-Forceを共同創業し、多くの企業を支援している。西口氏による本連載では、マーケットを構成する顧客の全体の姿を可視化・定量化し、動態で捉えて事業成長に直結させる「顧客起点の経営」をひもといていく。

 今回と次回は、この1~2年で多くの企業が掲げている「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を取り上げ、顧客起点でいかに改革していくかを解説する。

(写真:PIXTA)
(写真:PIXTA)

顧客起点でのDXの整理

 前回は、ミスミのオンライン機械部品調達サービス「meviy(メヴィー)」に注目しました。これは同社も自認するとおり、デジタル時代だからこそ可能になった大きな変革でした。今回は、あたかもデジタル化と銘打てばDXが実現し、自社が変革していくかのように誤解されがちなDXを、顧客起点で3つのステップ「業務DX」「事業DX」そして「夢想DX」に分けてひもといてみます。

 DXは「何をするか」ではなく、「どんな顧客価値をつくるのか」という観点で考えを進める必要があります。

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この記事はシリーズ「「顧客起点の経営改革」~経営に「顧客」を取り戻せ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。