これまで約40社の経営を支援し、200人を超す経営者に助言してきたStrategy Partners代表の西口一希氏。顧客離れや、売り上げの鈍化・減少などの「成長の壁」にぶつかり、思うように収益が伸びないことに悩む多くの経営者に向けて、「企業の成長に伴い、顧客よりも財務の数字や組織運営に関心を向けてしまう問題」の大きさを指摘してきた。6月刊行の著書『顧客起点の経営』(日経BP)の中でも、「顧客の変化をとらえ、自社のサービスや製品に価値を感じてもらうには、経営者のみならず組織全体が顧客を理解し、顧客起点を目指さなくてならない」としている。

 ではいかにして顧客の変化をとらえ、自社のサービスや商品に価値を見いだしてもらえばいいのか。

 日経ビジネスLIVEは、西口氏が『顧客起点の経営』について語るウェビナー(全2回)を開催。7月5日の第1回では、「なぜ企業の成長は止まるのか? すべてのカギを握る顧客理解」をテーマに講演していただいた。その模様を収録したアーカイブ動画とともにお伝えする。

(構成:森脇早絵、アーカイブ動画は最終ページにあります)

村上富美・日経ビジネス編集(以下、村上):今回は、「西口一希氏が語る『顧客起点の経営』」シリーズの第1回として、「なぜ企業の成長は止まるのか? すべてのカギを握る顧客起点」をテーマに、『顧客起点の経営』著者で、Strategy Partners代表の西口一希さんにお話を伺います。西口さん、よろしくお願いいたします。

西口一希・Strategy Partners代表(以下、西口氏):よろしくお願いいたします。

村上:まず、著書でも使っている「顧客起点」ですが、この言葉はどのようにして生まれたのでしょうか。

西口氏:私は、どちらかというと事業主側のキャリアが長いのですが、時系列で紹介させていただくと、1990年からP&Gに16年ほど勤務し、その後、ロート製薬でマーケティングの執行役員を8年ほど務めました。それから、ロクシタンジャポンで代表取締役を2年、社外取締役戦略顧問として1年。並行して、Smart Newsでも2年半ほどお手伝いさせていただきました。

 プロフィールだけ見ると、すごくうまくいって実績を残したことになっています。でも、これまで累計で1000億円以上をお預かりして、いろいろな投資をしてきましたうち、半分以上はむだにしてしまったと思います。

 あまりうまくいかなかったときと、うまくいったときの違いは何だろうと、常に振り返っていたのですが、やはりうまくいったときというのは、「顧客のニーズ」が見えていたときではないかと思います。逆に、「顧客ニーズを理解している」と思い込んでいるときは、実は理解していないことが後で分かって、うまくいっていなかったんです。

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この記事はシリーズ「「顧客起点の経営改革」~経営に「顧客」を取り戻せ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。