<span class="fontBold">「日経ビジネスLIVE」とは:</span><br>「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト
「日経ビジネスLIVE」とは:
「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト

 ノーベル賞を受賞した学者など“世界の頭脳”の理論を、その要諦を熟知する専門家による解説で学ぶシリーズ。今回はマーケティングをテーマにお送りする。マーケティング界の巨匠、米ノースウェスタン大学経営大学院のフィリップ・コトラー名誉教授へのインタビュー映像を基に“新常態”のマーケティングのポイントを学ぶ。

 解説はマーケティング理論の専門家で、コトラー教授と親交が深く、翻訳書も多数監修している早稲田大学商学部の恩蔵直人教授。クイズ形式と質疑応答で最先端のマーケティング理論をビジネスに生かす視座を学ぶ。

 第4回はウェビナー終盤の質疑応答を配信する。コトラー教授が考える、日本企業のブランドイメージの源泉は何か。イノベーション創出のために決定的に不足しているものとは。

広野彩子(日経ビジネス副編集長、以下、広野):シリーズ「インタビュー映像で読み解く世界の頭脳」、今回はマーケティングの巨匠、米ノースウェスタン大学経営大学院のフィリップ・コトラー名誉教授にライブでご登場いただき、セッションをお送りしています。解説は早稲田大学商学部の恩蔵直人教授です。

 先ほどの質問に対するコトラー先生の説明で、間もなく出版される『マーケティング5.0』の内容をチラリと見させていただいた感じです。

恩蔵直人・早稲田大学商学部教授(以下、恩蔵氏):私からもコトラー先生に質問をさせていただいていいですか。

広野:はい、どうぞ。

恩蔵氏:近々出るコトラー教授の著書『マーケティング5.0』において、一番のポイントは何でしょうか。マーケティングとは顧客にとっての価値を創造し、価値を伝達して価値を説得するプロセスというのがこれまでコトラー先生が強調してきた内容だと思います。その流れでいうと、どの辺りにフォーカスしているのか。あるいは全く別次元の光の当て方なのか。教えていただけますか。

フィリップ・コトラー 米ノースウェスタン大学経営大学院名誉教授(以下、コトラー氏):私たちは技術革新の動きを捉え、それをマーケティングの世界でどう生かすかを論じています。例えばVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の技術をどう活用するか。新製品を開発する際、バーチャルな試作品をまず作り、顧客にその製品を使う疑似体験をさせることができないか。

 またロボット工学をもっと活用できないか。いわゆるマーケティング・オートメーションについても語っています。経営者が眠っている間にも、企業で何が起きているかを監視し、それに対応する。会社が管理されるということですね。

 チャットボットの活用についても論じています。今は顔認識や音声認識の技術があります。例えばインテリジェンスがあり、我々が直面する問題を解決してくれるチャットボットがあるなら、精神科を受診するよりもチャットボットに対応してもらうほうがいいと考える人がいるかもしれません。

 このように新しいツールはいろいろとあります。これらは人間の脳がどのように機能しているかを分析したものです。脳の仕組みについて分析が進み理解を深めることができれば、顧客に対して競合他社よりも優れた価値を提供できる可能性が高まります。

 私たちは多様な技術を見回し、競争環境の中で使える準備ができている技術を特定しようとしています。

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