ノーベル賞を受賞した学者など“世界の頭脳”の理論を、その要諦を熟知する専門家による解説で学ぶシリーズ。今回は特別企画として、気鋭の経営学者と経済学者によるトークセッションをお送りする。

 世界の超一流の経済学者、経営学者17人へのインタビューをまとめた書籍『世界最高峰の経営教室』(日経BP)を題材に、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄教授と、大阪大学大学院経済学研究科の安田洋祐准教授が、巨匠たちの教えを分かりやすく解説する。

 第3回はウェビナーの中盤をテキストで公開する。入山氏が詳しい「両利きの経営」と今、ビジネス界で注目が高まる概念「ダイナミック・ケイパビリティ」の関係とは。

※本シリーズは、2020年12月7日にライブ配信したウェビナーを再編集したものです。詳細はこちら

(ウェビナーのノーカット映像は第1回でご覧いただけます)

入山章栄・早稲田大学ビジネススクール教授(以下、入山氏):「インタビュー映像で読み解く世界の頭脳」、今回は『世界最高峰の経営教室』(日経BP)の出版を記念して特別セッションをお送りしています。では、次のクイズに行きましょう。

広野彩子(日経ビジネス副編集長、以下、広野):はい、2問目のクイズです。次の中で1人だけ仲間はずれがいます。それは誰でしょうか。

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入山氏:視聴者の方の回答はヘンリー・チェスブロウ氏が一番多いですね。僕の見解を言ってよろしいでしょうか。

広野:どうぞどうぞ。

入山氏:と言いつつ、これ僕も分かんないなあ(笑)。Dの野中先生を選んで、理由は「日本人だから」って言ったら殺されそうだな(笑)。

安田洋祐・大阪大学大学院経済学研究科准教授(以下、安田氏):あ、僕それでDにしました。そこだけ漢字だし(笑)。

入山氏:あっ、分かりました! 僕の答えはBのマイケル・ポーター氏。なぜかと言うと、他の3人はみんな米西海岸の大学出身だから。チャールズ・オライリー氏はスタンフォード大学の教授。チェスブロウ氏や野中郁次郎先生はカリフォルニア大学バークレー校。ポーター氏だけハーバード大学の教授でボストンです。だからポーター氏じゃないかと。

広野:入山さん、大正解です。答えはBのポーター氏です。理由もさきほど入山さんが指摘された通りです。

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 ポーター氏が経済学博士号を取ったのはハーバード大学大学院。卒業したのはプリンストン大学です。バリバリの東海岸ですね。あとの3人はバークレー閥で仲が良いんですよ。もしかしたらポーター氏の悪口を言っているかもしれない(笑)。

入山氏:僕、野中先生と個人的に親しくさせていただいていますけれど、野中先生からデビッド・ティース氏の名前はよく聞きます。ティース氏もバークレー閥ですよね。

広野:はい。今の選択肢には入っていませんでしたが、ティース氏も仲間ですね。ポーター氏だけちょっと違います。

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