<span class="fontBold">「日経ビジネスLIVE」とは</span>:「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト
「日経ビジネスLIVE」とは:「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト

 アフターコロナ時代に求められる人づくりとは……。2020年11月16日にスタートしたウェビナーシリーズ「日経ビジネスLIVE あの経営者が語る 人づくりとコロナからの再興」をアーカイブ配信する。

 第2回は永守学園理事長、日本電産会長CEOである永守重信氏とMS&ADインシュアランスグループホールディングス会長である柄澤康喜氏の対談の後編(全2回)。永守氏が多額の私財を投じて“先端科学”を実践的に学べる場として生まれ変わらせた京都先端科学大学(KUAS)を会場に「コロナ禍でも革新生む、新時代の人づくり」をテーマに、アフターコロナに求められる新たな人材育成の道筋について語り合った。ライブ配信後の未公開トークも初公開している。対談の全体を収録した動画も掲載(2ページ目、有料会員限定)。

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(前編はこちら

田村賢司・日経ビジネス編集委員(以下、田村):永守さん、KUASではこれから先、留学生をものすごく増やしていく方針です。特に工学部では数年後に1学年100人、つまり半分を留学生にしていくと。そういうダイバーシティーで何を生み出すのでしょうか。

日本でしか通用しない人材はいらない

永守氏:グローバルに通用する人材ですよ。単に言葉ができるというだけではなく、いろいろな意味での教養も身に付けて、世界のどこに行ってもちゃんと意見を言える積極的な、プロアクティブな人材を出していかないといかん。

<span class="fontBold">永守重信(ながもり・しげのぶ)氏<br> 	学校法人永守学園理事長、日本電産会長CEO</span><br> 1944年生まれ。67年職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒。ティアックなどを経て73年に日本電産を創業、社長に就任。経営不振企業のM&A(合併・買収)などを通じて世界一のモーターメーカーに育てた。2014年から会長兼務。18年6月から会長CEOに。私財100億円余りを投じて京都学園大学(現・京都先端科学大学)の改革に乗り出し、同大学を運営する京都学園(現・永守学園)理事長に就任した(写真:太田未来子)
永守重信(ながもり・しげのぶ)氏
学校法人永守学園理事長、日本電産会長CEO

1944年生まれ。67年職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒。ティアックなどを経て73年に日本電産を創業、社長に就任。経営不振企業のM&A(合併・買収)などを通じて世界一のモーターメーカーに育てた。2014年から会長兼務。18年6月から会長CEOに。私財100億円余りを投じて京都学園大学(現・京都先端科学大学)の改革に乗り出し、同大学を運営する京都学園(現・永守学園)理事長に就任した(写真:太田未来子)

 留学生も一緒なんですよ。大学で英語の授業を聞いて、そして日本人ともちゃんと会話ができる。もともと母国語ができて、英語ができて、日本に来たらまた日本語がしゃべれると。そして母国に帰っていって、それで活躍する。そういうグローバルで通用する人間を育成するのがこの京都先端科学大学の大きな目標です。

 だから日本だけでしか通用しない人材はいらない。大学を出てきても英語もしゃべれない、何も分かってない。そんな人材を採用して日本の企業が強くなれるとは思えませんよ。

 私はこの大学を成功させますから。ああいうふうにやったらああいう大学になって、ああいう卒業生が出てくるのかと、まず誰かが示さないとね。窓を開けて、過去の大学教育はよくなかったということを知ってもらわないといけない。

グローバル人材育成、「幼稚園から」が近道

田村:視聴者からの質問を受ける時間になりました。まず永守さん、京都先端科学大学を運営する永守学園は、京都学園中学校・高等学校を運営する京都光楠学園と来年(2021年)合併します。幼稚園から大学に至る一貫教育の仕組み、体制をつくる意向を示されていますが、どのような教育をしていくというお考えですか。

永守氏:私が申し上げたグローバル人材をつくろうと思うと、大学だけではできないんですよ。大学でやってみたら、やっぱり高校からやった方がいい、さらに中学からやった方がいいと。そうなってくるともう幼稚園から一貫した教育をやるのが一番近道だと考えたわけです。

 だから、やっぱり幼い頃の、私らだって影響を受けているのはやっぱり母親の教育とかね、幼い頃の教育がものすごく今の基本になっているわけですね。私らがこういう人生を送ってこられたのは非常にいい先生に巡り合ったことがある。その人の人生を変えるものが教育なんです。

田村:柄澤さんにも質問が来ております。ダイバーシティーについて具体的な取り組みとその手応え、それから、やってみて今までのところでお感じになっている課題みたいなものがありましたらお答えいただけますか。

4つの観点でダイバーシティーを見る

柄澤康喜・MS&ADインシュアランスグループホールディングス会長(以下、柄澤氏):ダイバーシティーの取り組みには、4つの観点があると思っています。1番目は、企業・グループの中の透明性を高めること。経営情報も含めてしっかり開示されて、暗黙知みたいなものが形式知化されて、コミュニケーションの精度を高める風土が必要です。

<span class="fontBold">柄澤康喜(からさわ・やすよし)氏<br> 	MS&amp;ADインシュアランスグループホールディングス会長</span><br> 1950年生まれ。75年京都大学経済学部卒業後、住友海上火災保険(現 三井住友海上火災保険)に入社。執行役員経営企画部長、常務、専務を経て、2010年取締役社長に就任。14年MS&amp;ADインシュアランス グループ ホールディングス取締役社長を経て、20年6月から現職。16年6月より経団連「経済財政委員会」委員長、17年5月より同「女性の活躍推進委員会(現 ダイバーシティ推進委員会)」委員長(写真:太田未来子)
柄澤康喜(からさわ・やすよし)氏
MS&ADインシュアランスグループホールディングス会長

1950年生まれ。75年京都大学経済学部卒業後、住友海上火災保険(現 三井住友海上火災保険)に入社。執行役員経営企画部長、常務、専務を経て、2010年取締役社長に就任。14年MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス取締役社長を経て、20年6月から現職。16年6月より経団連「経済財政委員会」委員長、17年5月より同「女性の活躍推進委員会(現 ダイバーシティ推進委員会)」委員長(写真:太田未来子)

 2番目が、柔軟な労働環境です。このコロナ禍の中ではリモートワークなども含めて働き方のフレキシビリティーは相当進みました。今後、労働法制も含めてフレキシビリティーをもっと高めていただく必要があるでしょう。

 3番目は環境の問題です。例えば女性が仕事を辞めるのは、出産、育児、介護、転勤。そういう(人生の)イベントでも仕事が続けられる環境を備えておく必要がある。それと、男性の育児休暇ですよね。私自身あまり偉そうに言えないのですけれども、やっぱり北欧の例などを見ていると、男性が育児休業を取って、それが全体として女性の就業を支えている。そこの部分はしっかり進めていく必要があります。

 4番目が意識の問題です。女性自身もリーダーになりたくない。あるいは「インポスター症候群」といって、自分をマイナス評価してしまう。一方で男性もアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)を持っていることを認識して、管理職も含めた周りの意識を変えていく必要がある。

 こうした前提で、大学も企業もイマジネーションとかクリエーティビティーが発揮できる環境を整える必要がある。我々経営者はそれをリードしていく責務があると思っています。

続きを読む 2/2 当たり前のことをちゃんと教える

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