(2015年3月23日の日経ビジネスオンラインに掲載した記事を再編集しました。肩書などは掲載当時のものです)

■お知らせ
各メディアで活躍中の経営学者・入山章栄早稲田大学ビジネススクール教授と、経済学者・安田洋祐大阪大学准教授が、書籍『世界最高峰の経営教室』(日経BP)に登場する世界最高峰の経済・経営学者17人の理論やこぼれ話などを解説するウェビナーを開催します。
開催日:2020年12月7日(月)夜8時~
>>詳細はこちら

 最近、ギリシャの債務問題がまた騒がしくなってきた。筆者は2014年9月、当時勤務していた国際通貨基金(IMF)を退職し大学に移ったが、債務問題というと4年前の2011年3月11日を思い出す。

 IMF勤務でワシントンDCにいて、主にヨーロッパ諸国の問題に関し、IMF内部で議論しつつ、著者の発言できる範囲内で国家債務削減に関する経済学的な考え方と現実の政策に関する議論のまとめを、日経ビジネスに著者の見解として寄稿しようとしていた。

 しかしながらこの国家債務に関する原稿については、既にゲラも出来上がっていた段階で「テーマがこのタイミングではセンシティブである」という結論になり、IMFの広報室から原稿を撤回するよう指示されてしまった。3月11日の東日本大震災で大変な中、急きょ原稿を別のテーマに差し替えることになり、編集部に多大なご迷惑をお掛けしたことをよく覚えている。

 今回、IMFを退職し半年たち、また当時議論していた方向で現実の政策も進んできていることから、当時進められていた議論(私のコンピューターで眠っていた最終稿は2011年3月10日付)を再びここで発表したい。

 なお、当時の最終稿で、紙面の制約で(当時はオンラインでなく紙媒体であった)削っていた、導入部も加えた。また、当時の原稿で説明が分かりにくいと思われるところには多少手を入れてある。以下が当時の議論である。

破産という制度の考え方

 破産がもし当人の努力によって必ず避けられるべきものであれば、破産者に徹底的に制裁を加えることで、その努力を引き出せばよい。しかしながら、天災などによる資産の消失など、抗し難い悪状況によって借金が返せなくなることもある。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2580文字 / 全文3524文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「新しい経済の教科書 Lesson6 マネジメントの経済学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。