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MBAはいらない!と主張する経営学の教祖、ヘンリー・ミンツバーグ教授のインタビュー動画を使ったウェビナーを開催します。解説は、ミンツバーグ教授と長年の親交があるダニエル・ヘラー中央大学特任教授。
開催日:2020年11月26日(木)夜8時~
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(2014年4月22日の日経ビジネスオンラインに掲載した記事を再公開しました。肩書などは取材当時のものです)

ポール・ミルグロム米スタンフォード大学教授や若手の経済学者レイモンド・フィスマン米コロンビア大学経営大学院教授らが発展させてきた、「組織の経済学」。本稿では、比較的新しい分野である「組織の経済学」を専門とする伊藤秀史一橋大学大学院商学研究科教授に、組織の経済学について、さらに詳しく話を聞いた。
「取引」にも色々ある(写真:PIXTA)

経済学の一分野に、「組織の経済学」というのがあります。経営学とも違うのですね。

 まず組織の経済学というのは、組織の中を市場とは異なる「取引の場」とみなして、経済学で分析していく分野のことを指します。経営学は、どちらかと言うと経済学以外のアプローチで個々の企業のケースをつぶさに研究していく学問領域ですね。

伊藤教授は米スタンフォード大学から経営学の博士号(Ph.D.)を取得して、厳密に言うと経営学者、ということなのでしょうが、「経済学者と分類されることが多い」と著書などでよく書かれています。そうなってくると経済学と経営学の違いも、実は良く分かりません……。

 そこが今回のお話のテーマにも関係してくるわけです。僕は米国で経営大学院(ビジネススクール)を出ているので、厳密に言うとPh.D.としては経営学ということになるのかもしれませんが、1980年代、僕が留学していた当時のスタンフォード大学をはじめとする多くの経営大学院では、教授陣にかなり経済学者を雇っていました。MBA(経営学修士)のプログラムでもミクロ経済学は大体必修ですし、経済学者がそれを教えるわけです。

 とはいえスタンフォードでは特に、経営大学院に籍を置く経済学者も、そこで博士号を取った経済学者もバリバリ、ゲーム理論やオークション理論など最先端の理論を研究していたわけです。米国政府の周波数オークション設計に携わったポール・ミルグロム教授も、経営大学院で博士号(Ph.D.)を取った人で僕の先輩に当たるわけですが、まさにそうした人の1人でした。

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この記事はシリーズ「新しい経済の教科書 Lesson6 マネジメントの経済学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。