(2014年4月21日の日経ビジネスオンラインに掲載した記事を再公開したものです。肩書などは掲載当時のものです)

行動経済学――感情に揺れる経済心理』(中公新書)などの著書がある依田高典・京都大学大学院経済学研究科教授に、行動経済学の歴史的な位置づけや理論などについて聞いた。

■お知らせ
ノーベル賞経済学者・リチャード・セイラー教授の孫弟子である田中知美氏が、セイラー教授のインタビュー動画を使って行動経済学を解説するウェビナーを開催します。
開催日:2020年11月19日(木)夜8時~
>>詳細はこちら

経済学、とりわけマクロ経済学に対する信頼はリーマン・ショックでかなり損なわれましたが、行動経済学は世界中で話題になっていますね。

依田高典(いだ・たかのり)
京都大学大学院経済学研究科教授
1965年、新潟県生まれ。89年、京都大学経済学部卒業、95年、同大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。2007年から現職。米イリノイ大学、英ケンブリッジ大学客員研究員などを歴任。専門は情報通信経済学、行動健康経済学。(写真:福島正造)

依田:行動経済学は、伝統的な経済学に対するアンチテーゼ、あるいはそれを修正するものとして考えられているのです。伝統的な経済学というのは、「経済人」とか「ホモ・エコノミクス」といった、合理的で利己的な経済主体を想定し、あとはそれに基づいてモデルをつくってきました。

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この記事はシリーズ「新しい経済の教科書 Lesson 5 行動経済学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。