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 深刻化する米中対立の中で、日本企業はどのような備えをしておくべきか。日本は米中から“踏み絵”を迫られるような状況で、ビジネスへの影響は避けられない。

 「日経ビジネスLIVE ニューノーマル時代の成長戦略~新たな長期的価値の創造~」では、8月28日に特別セッションを開催。日経ビジネス電子版の人気連載「細川昌彦の『深層・世界のパワーゲーム』」の筆者で、通商・外交問題などに詳しい明星大学経営学部教授の細川昌彦氏を招き、新冷戦とも呼ばれる米中対立の深層を解説した。

 本シリーズではその模様を5回に分けて掲載する。第5回は、日本そして企業は「異質なシステム」で動く中国とどのように向き合っていくべきかを解説する。

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第1回 トランプ米大統領が利用する対中強硬策の「本流」とは
(写真:PIXTA)

中国市場を「したたかに」攻めるには

大竹剛(日経ビジネス編集):そろそろ、参加者からの質問に移りたいと思います。

 まずは、先ほどのスライドの最後にもありました、日本企業は対立する米中にどのように向き合ったらいいのかという質問です。

 ドイツ系企業の日本法人の代表の方からです。「昨年まで中国法人の代表も兼務し、ファーウェイも訪問していました。日本の報道があまりにも米国寄りで中国をバッシングしすぎなのではないかと感じています。米国の見方や日本の報道が幅を利かせており、日本の経営者には米中対立をビジネスチャンスとして捉え、したたかに攻めるという姿勢が足りていないのではないでしょうか」という質問です。いかがでしょうか。

細川昌彦・明星大学経営学部教授(以下、細川氏):「したたかに」という意味では、総論は賛成です。安全保障上センシティブでない分野については、貪欲に攻めていけばいいと思います。しかし、センシティブな分野については、虎の尾を踏まないようにするのは、ビジネスの鉄則ではないでしょうか。