全3096文字

 深刻化する米中対立の中で、日本企業はどのような備えをしておくべきか。日本は米中から“踏み絵”を迫られるような状況で、ビジネスへの影響は避けられない。

 「日経ビジネスLIVE ニューノーマル時代の成長戦略~新たな長期的価値の創造~」では、8月28日に特別セッションを開催。日経ビジネス電子版の人気連載「細川昌彦の『深層・世界のパワーゲーム』」の筆者で、通商・外交問題などに詳しい明星大学経営学部教授の細川昌彦氏を招き、新・冷戦とも呼ばれる米中対立の深層を解説した。

 本シリーズではその模様を5回に分けて掲載する。第4回は、特許の出願件数から見る中国の技術開発の実態と、重なり合う「経済」と「安全保障」に企業はどう対応すべきかを解説する。

次の記事を読む
第5回 「異質な中国」にどう向き合う? 日本は「ミドルパワー」の主軸に
(写真:PIXTA)

中国の特許出願件数急増は実力を反映しているのか

大竹剛(日経ビジネス編集):細川さんにご用意いただいたスライドに、日本、米国、欧州、中国の特許出願件数を比較するグラフがあります。このグラフを見たとき、「中国すごいな」と思いました。特許の出願件数で米国を圧倒しているじゃないかと。

細川昌彦・明星大学経営学部教授(以下、細川氏):米国の2.5倍です。確かに、ものすごい勢いで伸びていて、年間150万件を超えていたわけです。米国はだいたい60万件、日本は30万件、欧州は20万件が相場です。

 これは各国の中で出願されている件数です。ここが大事です。中国国内での出願が圧倒的に多いのです。これとは別に、国際的な出願を見ますと、米国と中国がだいたい同レベルくらいになる。そこまで中国は研究者数も研究資金も米国に追いついてきているのは確かですが、直感的に考えれば、そこから出てくる特許の数もだいたい同レベルくらいが相場観だと思いますよね。ところが、2.5倍。これは、明らかに異常値です。