(2013年6月10日の日経ビジネスオンラインに公開した記事を再編集しました。肩書などは掲載当時のものです)

2013年5月31日に発売した別冊「新しい経済の教科書2013~2014年版」では、「制度と貧困の経済学」をテーマの1つにした。その中で、共著『貧乏人の経済学』(みすず書房)で知られるエステル・デュフロ教授のインタビューを掲載している。貧困削減の現場に密着し、貧しい人々を支援する側の思い込みを実証的に否定し、「イデオロギー先行は失敗する」「職業訓練より、新しい雇用の創出が重要」と言うデュフロ教授に、貧困をなくす制度改革のあり方などを聞いた。

貧困削減の施策で、最も犯しやすい失敗とはどのようなものでしょう。

エステル・デュフロ(Esther Duflo)
米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授
1972年フランス生まれ。1995年、仏DELTAで経済学修士号取得、99年、米マサチューセッツ工科大学で経済学博士号取得(Ph.D.)。同大学助教授などを経て2005年から現職。2011年、アビジット・バナジー教授と共著で『Poor Economics(邦題:貧乏人の経済学)』を出版、11カ国で翻訳される。英エコノミスト誌で「若手経済学者ベスト8」の1人に選出。2010年、40歳以下の最も優れた経済学者に贈られるジョン・ベーツ・クラーク賞を受賞するなど受賞歴多数。(写真:Mayumi Nashida、以下同)

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