(2014年12月8日の日経ビジネスオンラインに掲載した記事を再編集しました。肩書などは掲載当時のものです)

 ガソリン価格の高騰や環境意識の高まりによって、燃費は自動車購入の際の重要なポイントになってきている。経済政策という点から見ても、日本をはじめ、多くの国において「自動車燃費規制」や、「エコカー減税」など、燃費向上を促す政策が数多く実施されている。筆者が住む米国でも、2012年にオバマ大統領がCAFEスタンダード(米国の自動車燃費規制)の大幅な見直しをした。

 その新たな政策デザインにおいて、筆者と共著者のジェームズ・M・サリー米シカゴ大学助教授が着目したのが以下の点である。

図1:2012年に改訂された米国の自動車燃費規制
自動車の燃費規制値が、自動車のFootprint(面積)が大きくなるほど緩くなる制度設計になっている

 図1に示したように、米国の新たな規制では、「自動車のFootprint(面積)が増えるほど燃費規制値が緩くなる」という方式が採用された。つまり、面積の小さい車ほど要求される燃費規制値が高く、面積の大きい車ほど要求される規制値が緩いということだ。

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