(2012年4月20日の日経ビジネスオンラインに掲載した記事を再編集しました。肩書などは掲載当時のものです)

 日経ビジネス別冊「新しい経済の教科書 2012」では、「幸福の経済学」と言うべき分野も取り上げています。今回は、その中で登場いただいた大竹文雄・大阪大学社会経済研究所教授のインタビューの一部を抜粋し、未収録部分と合わせ再編集してお届けします。ここのところ注目を浴びている個人の「幸福度」を基にした政策作り。そのメリットとデメリットについて、大竹教授が明快に解説します。すべての議論にご関心を持たれた方は、ぜひ別冊をお読みください。

―― ブータン国王が昨年、来日しました。同時にブータンのGNH(国民総幸福量)が注目を浴びました。ではブータンのような暮らしを日本人がすれば幸せになれるのか、という疑問をよく聞きました。

大竹文雄・大阪大学社会経済研究所教授(以下、大竹):大阪大学の筒井義郎教授とのアンケート調査で、「もしあなたが生まれるならどちらの国がいいですか」という質問をしてみました。ここではブータンは選択肢になかったのですが、所得水準は異なるけれど幸福度が同じような国を2つ挙げてどちらがいいか聞いたわけです。

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