ここに来れば、新しい経済学に出合える! 2009年に週刊の「日経ビジネス」本誌で始まり、2011年から「日経ビジネスオンライン」に移行、経済学に関心のある読者から人気を博していた長期寄稿連載「気鋭の論点」。「日経ビジネス電子版」ではそのアーカイブをテーマやジャンル別に再構成し、「新しい経済の教科書」として再度展開していきます。
Lesson4のテーマは「リバランスの経済学」。リバランスといっても投資のリバランスではありません。社会全体のさまざまな不均衡を少しでも最適化しようという、経済学の知的格闘の数々をまとめました。(写真:PIXTA)
新しい経済の教科書 Lesson4 リバランスの経済学

18回
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#1
ピケティ教授×吉川洋教授「富の集中より重要な問題がある」
「経済学は、もっとほかの社会科学の手法も取り入れるべき」と訴える、格差研究で世界的に著名になった気鋭の経済学者、トマ・ピケティ教授。日本を代表する経済学者である吉川洋・東京大学教授と、格差や…
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#2
製造業から消えた400万人労働者 「女性の労働参加率上昇」の裏側
女性の就業率が上昇していることは、近年、広く認識されるようになった。一方で、「女性の進出が加速中」といった労働市場全体でみた傾向とは、いささか異なる分野も存在する。製造業はその一例だ。
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#3
年金財政の破綻を回避する4つの選択肢
高齢化の進展に伴い、現在の年金制度がこのままでは維持できないことは明らかである。財政の不均衡は、支出が収入を上回ることにより生じ、不均衡が続けばシステムは破綻する。
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#4
環境規制の抜け道が日本車を重くした 「規制達成値取引制度」の薦め
ガソリン価格高騰や環境意識の高まりにより、燃費は自動車購入時の重要なポイント。政策担当者が目指すのはそれぞれの自動車で燃費を向上させることにある。しかし実際は「車のサイズを大きくすること」だ…
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#5
大竹文雄・大阪大学教授「幸福度指標は既得権益者利する恐れ」
ブータン国王夫妻の来日などで注目を浴びた、ブータンの指標GNH(国民総幸福量)。果たして幸福度指標を使うことは、どこまで役に立つのだろうか。大竹文雄・大阪大学社会経済研究所教授に聞く。
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#6
松井彰彦・東京大学教授「差別も偏見も、ゲーム理論で解決できる」
実務への応用が著しい先端のミクロ経済学。そのベースでもあるゲーム理論で社会問題を考えると、女性の活躍推進や、障害者の権利などについても明快な方向性が見いだせるという。松井彰彦・東京大学大学院…
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#7
財政再建と経済成長を両立させる、アレシナ教授の「ナナサンの法則」
あのケインズと対比されるほど注目を浴びている気鋭の研究者、米ハーバード大学のアルベルト・アレシナ教授。アレシナ教授による、財政再建と経済成長を両立する「ナナサンの法則」は、欧州を中心として実…
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#8
イノベーションと日本:不況期こそ参入促進を
経済成長理論の近年の多くの研究は、どのような経済環境や政策がイノベーションを促進するのかに重点を移している。
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#9
本気の学力アップ策が経済成長押し上げる 全体の基礎学力高め、トップは伸ばせ
政府や経済界は、成長戦略に頭を悩ませている。一国の経済成長を決める要因の特定は、経済学者にとっても難しい課題だ。特に長年議論になっているのは、国民の持つ基礎学力が、その国の経済成長に影響を与…
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#10
「結婚市場の自由化」で少子化対策 離婚コスト低減で婚活後押し
結婚など家族の問題を経済学で分析したシカゴ大学のベッカー教授は、1970年代当時は米国でかなりキワモノ扱いされたそうだ。結婚でも就職でも人間関係とは複雑なものだが、そこに国の政策に出る幕があ…
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#11
拡張的な財政政策と巨額の国債残高の関係 「悲観的な帰結」とは
最近では日本のみならず、欧米においても、財政再建や国債の残高に関する議論が活発になっている。その背後には、欧米諸国がリーマンショック以降に強めた拡張的財政政策の結果として積みあがった巨額の国…
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#12
選挙前の不正な住民票移動の真相 「自然実験」で統計的に解明
当該市区町村の区域内に「住所」があり、引き続き3カ月以上その自治体の住民基本台帳に登録されている条件を悪用し、実際には別の地域で生活している有権者が、投票することを目的として住民票を移動する…
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#13
ノーベル賞デュフロ教授:政策が失敗する原因は「イデオロギー」「無知」「惰性」
貧困削減政策の実証研究で知られる、エスター・デュフロ米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授。政策の失敗は、担当者のイデオロギー、無知、惰性のためだ、と指摘する。
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#14
バナジー&デュフロ教授ら革新的理論の礎となった「貧困の経済学」
「貧乏」というと遠い話と感じる読者がいるかもしれない。だが日本における「格差社会」「生活保護受給者の増大」は、貧困問題の表れだ。これらが失われた20年に特有の問題かといえば、そうでもない。
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#15
景観論争で考える「良い経済学、悪い経済学:法の正義との違い
経済学ではお金の役割が強調されることも多いが、社会現象の分析を出発点とするところは、法学や政治学と同じだ。その視点の違いを景観論争から考えてみよう。その上で、市場主義と経済学の役割に立ち戻り…
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#16
ノーベル賞・故ベッカー教授「経済学の帝王」から学ぶ「折れない心」
1992年のノーベル経済学賞受賞者であるゲーリー・ベッカー氏は、すべての社会現象を経済学で説明しようとする「経済学帝国主義」の「帝王」であった。
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#17
アセモグル教授「既得権益層が居座り続ければ、国は衰退する」
世界各国の歴史を研究し「創造的破壊が起こりやすい制度にしなければ、国家は失敗する」と結論づけたダロン・アセモグル米マサチューセッツ工科大学(MIT)教授。国の成長が止まった時、政府は何をすべ…
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#18
ヤンキー化する自民党、市場化しない周波数~行政判断から市場での発見へ
日本で遅々として進まない周波数オークションの導入。オークション市場の設計技術は整い、他国の経験も積み重なっている。あとは与党の決定だけだ。
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講師
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