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グローバル化がやりやすいのは消費財より生産財、完成品より部品

(守屋、以下守):前回に引き続き、企業のグローバル化について話していきたいと思います。世界が凸凹であることがグローバル化を阻んでいるとのことでしたが、業種や商品によって差はあるのでしょうか。

(三谷、以下み):やはり消費財の方が地域差はずっと大きいです。でも生産財(モノを作るための機械や原材料)はどこでも大差がないので地域差は小さい。それに完成品よりも部品の方が差が小さいですよね。なので、国による差は「消費者向けの完成品」が一番大きくて、「生産財向けの部品」が一番小さいわけです。それの典型例は、日本が得意とする小さい電子部品で、ひとつひとつはとてもニッチな市場ですが、世界を相手にできるので、成功すれば大きいです。村田製作所やTDKがその例です。

 ソニーもその恩恵を受けています。2013年末に販売を開始したPlayStation 4が累計1億台以上と大ヒットし、毎年数千億円の利益を上げた訳ですが、使われる電子部品も結構自分でつくっているので、そこでも儲けています。特にデジタルカメラやスマートフォン、ドライブレコーダーなどで使われるCMOS型のイメージセンサー(撮像素子)がありますが、最近スマートフォンが、2眼、3眼となってきたので1台当たりの使用数が倍、3倍となり、2010年から9年で市場規模が4倍にもなりました。ソニーはその184億ドルの市場で、シェア50%を誇っています。ダントツの1位で、2位のサムスン電子の2.5倍です。

 今やソニーのイメージセンサーは、「このドライブレコーダーはソニーの撮像素子を使っている」というと、消費者に「なら性能は大丈夫」と思ってもらえるようなキーの電子部品になっています。そうなると本当に強いですよね。

 でも、それはやはり完成品というよりは部品だからそれが可能なのだと思います。日本人はそのような地域差がないところで戦うのがいいのでしょう。あまり差があるものは管理するのが大変だから、共通のもので済んで、品質で勝負できて、信用が効くものが一番戦いやすいのだろうと思います。