ITの巨人たちの中でも真のグローバルプレイヤーはGoogleだけ?

(守):私も昔、『フラット化する世界』を読みましたが、ポイントは「デジタル化」ではないかなと感じました。デジタル化できるものはすべてもっとも人件費の安い所に移っていってしまう。つまりデジタル化が進む限り、世界はフラット化していく。その意味でいうと、確かにデジタルのジャンルは国境が完全になくなってきている気がします。
 YouTubeはその典型ですけれども、どこかで面白いコンテンツをつくれば、世界中がみんなで一緒に見て、何億回再生の話になります。ピコ太郎さんの“PPAP”とか典型ですよね。

 だから、会社レベルで考えてのグローバル化は難しいかもしれないけれど、実際にデジタル情報が動いているグローバル化には若干ずれがあるような気がします。

(み):確かにインターネットに乗るコンテンツは、究極のグローバル化が進んでいくのでしょう。ただ進んではいくけれど、今現在、英語&米国スタイルですべて済むかというとそうでもない。各国に合わせていかなければいけない。YouTubeに投稿するコンテンツひとつにしても、国によって言語も常識も違い(親指を立てることはインドだと侮辱の印とか)ます。もし世界中に発信するなら、その調整をしないと本来はいけないわけです。

 だから、商品がデジタル化できることとすべてがフラットになることとは少し違います。細かい差があるし、風刺画を描いただけでとんでもないことになるわけです。やはりそのような差がさまざまな所であります。

(守):確かにデジタル化の進展で、アナログ的な障壁や軋轢が逆に浮き彫りになった感じはありますね。風刺画の話で言えば、イスラム教に対する風刺画を教材として扱ったフランスの教師が殺害されたわけですが、生徒の父親がそれを非難する動画をインターネットに載せたことがきっかけになっています。デジタル化によって情報がやたら流れてしまい、「内輪」で物事が済まない世界が来てしまったということなんですね。

 そういえば最近、1979年にリリースされた松原みきさんの「真夜中のドア」が世界中でヒットしているというニュースがありました。フリードマンの指摘は、空間面でのデジタルの進展の話ですが、昨今は、時間面にも起こっていて、新曲と四十年前の曲がフラットにチャートに上っているわけです。空間的、時間的に何がアナログ的な障壁を乗り越え、何が乗り越えられないかは、今後とも興味ある問題だと思います。

 企業でいえば、デジタル化という側面では、FAAMG(*5)やアリババ、テンセントが有名ですが、これらの企業はどれくらいグローバル化しているのでしょうか。

*5:Facebook、Apple、Amazon、Microsoft、Google(持ち株会社名はAlphabet)の5社。GAFAM、ビッグ・ファイブ、とも呼ばれる。GAFAは英米では使われていない表現らしい。

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