(写真=吉成大輔)
(写真=吉成大輔)

日本は母国語だけで暮らしていける国。大国化し拡大モチベーションを失った

(守):第二次世界大戦後すぐも、日本企業は積極的に外に出ていっていたと思います。昔トヨタの海外市場開拓に携わっていた人の話をうかがったことがあります。例えば東南アジアの国に自動車を売ってもお金で払ってもらえず、木材などで払ってくるそうです。そのままではキャッシュが回らないから、それを別の国に持っていって別のものに替えて、それをまた別のものに替えて、最後にお金になるようにして、日本に送金していたと。そこまでやって頑張って、何とか外貨を稼いでいた日本が、ある時期からあまり外に出ていかなくなってしまったのは、やはり大国化して、国内で食えるようになったからなのでしょうか。

(み):今の話のトヨタでいえば、外に出ていくことは基本的にずっと頑張ってきたと思います。でも、やはり多くの企業にとっては国内市場で十分だと。また、いろいろな障壁を政府がつくってくれました。その間に高度成長といって内需も広げて、でも、そのおかげでそこで食えるようになってしまった。母国市場が大きくなれば、本当はその母国市場で稼いだ分を外に投資して、そして海外展開が楽になるはずだけれども、やはり母国市場が大きくなり過ぎると動機を失ってしまうのです。

 極端な話、日本人はこれまで日本語だけで一生生きていけました。母国語だけで生きていける国は東南アジアにもそんなにありません。

(守):確かに。

(み):今でいうと人口が1億人いるかどうか、当時でいうと5000万人ぐらいいるかどうかのラインがあったのではないかと思います。

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