(2014年4月14日の日経ビジネスオンラインで掲載した記事を再編集したものです。肩書などは当時のものです)

 米グーグルの収益源となる広告モデルを設計したハル・ヴァリアン氏(右)と、ミクロ経済学を専門とする若手経済学者、安田洋祐・大阪大学経済学部准教授が対談。ヴァリアン氏はトップクラスの経済学者として世界的に知られてきたが、今やIT(情報技術)産業の枢要な「頭脳」となった。今、情報ビジネスと経済学の最前線で何が起きているのか。(写真:林幸一郎、以下同)

安田:グーグルをはじめとする検索エンジンの収益の大半は、「検索連動型広告」と呼ばれる企業広告の広告料です。よく検索結果ページの上部や脇に表示されているあれですね。ハル・ヴァリアンさんが知見を生かして作り上げた最先端のオークション理論を、グーグルが活用して大きく成長してきたことは広く知られています。オークションとは、売り手が1人で買い手が多数の取引のことで、オークション理論はその市場の仕組みを理論化したものです。

 ヴァリアンさんは日本でも、『入門ミクロ経済学』、そして大学院生向けの『ミクロ経済分析』の2冊の教科書を出版されており、世界的に大変著名な理論系の経済学者です。

 そんなヴァリアンさんがなぜ、広告オークションの仕組みをいったん作った後も、引き続きチーフエコノミストという肩書でグーグルに関わり続けることになったのでしょう。

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