(2013年4月19日の日経ビジネスオンラインに掲載した記事を再編集したものです。肩書などは当時のものです)

 このサイトの読者で、アマゾンや価格.comのカスタマーレビューや、ぐるなびなど飲食店情報サイトの「口コミ」情報をご覧になったことがない方はいないだろう。アフィリエイトの有無にかかわらずフェイスブックやブログを通して、個人発の商品・サービスの情報を得ている方も多いはず。我々はこうした情報を「額面通りには受け取れない」とは認識しつつ、購入の参考にすることも多いのではないだろうか。

 インターネットが普及して以来、そこにあふれる情報を正しく判断する能力、すなわちメディアリテラシーの必要性が言われ続けている。あらゆる個人が不特定多数の読み手に対して容易に情報発信できるようになり、我々が日々接する情報量が飛躍的に増えた半面、情報の「質」の根拠が希薄になり、その評価や真偽の識別はおのおのの読み手に任されるようになった。

ネットにあふれる「チープトーク」

 経済学やゲーム理論では、このような情報伝達を「チープトーク」と呼ぶ。その名の通り、安っぽい言葉、すなわち口から出まかせ、といった意味合いだ。正確に言えば「情報の送り手が、根拠もコストも無しに発信できるメッセージ」であり、ネット上の情報の多くが該当する。本稿では、ゲーム理論を使ってそうした情報をどのように読み解けるか、ご紹介してみたい。

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