(2012年3月6日の日経ビジネスオンラインに掲載された記事を再編集したものです。肩書などは当時のものです)

 読者は、ケビン・ベーコン・ナンバーという言葉を聞いたことあるだろうか。これは、米国人俳優ケビン・ベーコン氏とある俳優との間の関係の強さを表したもので、ケビン・ベーコン氏本人を0として、ケビン・ベーコン氏と直接共演した俳優を「1次」の隔たり、1次の隔たりの俳優と共演した俳優を「2次」の隔たりというように既定した次数である。

 値が大きくなるほどケビン・ベーコン氏からの関係が遠くなることを示す。この次数を使うと、世界の俳優のほとんどがケビン・ベーコン氏と「6次」の隔たり以内に入るといわれてきた。この次数のことをケビン・ベーコン・ナンバーと呼ぶ。

 このナンバーは人と人のネットワークの「小さな世界」を象徴する概念として、頻繁に利用されている。元をたどれば20世紀初頭に活躍したハンガリー人小説家のアイデアなのだが、「世界中のいかなる2人の間の関係も、平均すると6次以内の隔たりにある」という意味である。

 この命題は、これまで様々な方法で検証が試みられてきた。そして「あなたと隣に座った見ず知らずの他人の間は、5人の友人・知人をたどれば到達できる」という「6次の隔たり」が有力な説とされてきた。

赤の他人も3人たどれば皆友達

 ところが2011年11月、この「6次の隔たり」という命題が、読者にもおなじみのフェイスブックというSNS(交流サイト)で再検証されたと報じられたのである。フェイスブックのデータ分析科学者であるラーズ・バックストーム氏と研究グループが、2011年初頭の分析当時のフェイスブック会員だった、世界人口の約10%に当たる7億2100万人の計690億の友人関係という、膨大なデータを検証した。すると、ある2人のメンバー間の平均の隔たりの次数は「3.74次」であり、フェイスブックの会員が今よりも少なかった2008年に報告された「4.28次」に比べてさらに小さいことが分かったのだ。

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