美団がこの1年半の間にシェアを拡大した要因は次の4点が挙げられる。
①配送員を効率的にもうけさせて安定確保
配送員の一日あたりの平均デリバリー件数が、餓了麼18回に対して、美団は29回に達する(出所:Trustdata)。配送のスケジューリング(オーダーをどの配送員に割り振るか)や配送ルートのアルゴリズム開発に投資した成果が顕在化している。配送員を安定して確保できていることが、シェア拡大につながっている。同時に、配送員のロイヤリティーを高め、手当(補助金)を削減することができる。
②飲食店のロイヤリティーを高めた
19年6月時点で、主要な飲食店のフードデリバリー導入比率で、餓了麼25%に対して、美団は52%に達する(出所:Trustdata)。
美団は、餓了麼など競合と同様に、キャンペーンなど販促費を投入して飲食店を開拓してきたが、ここにきて、「三高一低」(高い人件費、賃料、材料費と低い粗利)の改善を支援する取り組みが、効果を表している。
③顧客(消費者)のロイヤリティーを高めた
前月に使用した顧客が、当月にも使用する比率が、美団は53.6%と、餓了麼の41.9%を上回る。また、月間アクティブ・ユーザーが、当月に使用する日数の割合は、美団が23%で、餓了麼の17%より高い(19年4~6月期時点。出所はTrustdata)。要因として、競争と比較した「顧客体験」の良さを挙げる声が少なくない。
④「3級~5級都市」での積極投資
顧客、飲食店の増加スピードが速い3級以下の地方都市まで、カバーしている。
こうした取り組みの結果、美団のフードデリバリー事業は、利用者が増えれば増えるほど価値が高まり、収益力が上がる「ネットワーク効果」を発揮するようになった。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り693文字 / 全文2754文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
Powered by リゾーム?