全2412文字

 その原資を稼ぐ役割を担うのが、美団点評のもう一つの主力事業であるレストランやホテルの予約事業と旅行事業だ。こちらは低頻度ながら高収益であるのが特徴だ。

 「高頻度・低収益」のフードデリバリーとモビリティーのサービスで顧客との接点を広げ、「低頻度・高収益」の予約サービスなどへ誘客する。この循環を回し続ける仕組みを美団は作り込み、成長を遂げてきた。

 19年7~9月期の各セグメント別の業績を見ると、このループがうまく回っていることがうかがえる。

 売上高の約6割を占めるフードデリバリー事業の粗利益率は19.5%。モビリティーサービスなど新規事業も全売上高の2割強の規模があるが、粗利益率は18.7%だ。対して、「レストランやホテルの予約及び旅行」事業の売上高は全体の22%ながら粗利益率は88.6%。いかに利益面で予約・旅行事業が貢献しているかが分かるだろう。

 利用者を増やし、高収益事業で収益基盤を固めるのが1つ目のループなら、2つ目のループはプラットフォームの魅力を高めるものだ。プラットフォームに集まる消費者と企業の間で価値を循環させ、ウィンウィンの関係を作り上げたのだ。

 消費者の生活シーンを囲い込むには、プラットフォームで提供されるサービスの品質を上げたり、値ごろ感を打ち出したりする取り組みが欠かせない。ここでポイントになるのは、プラットフォームに集まり、消費者に実際のサービスを提供する企業の対応だ。

 美団はプラットフォーマーとして、消費者と企業を「マッチング」するだけでなく、企業側が質の高い、競争力のあるサービスを打ち出せるように支援している。

 フードデリバリーでも数多くのオーダーについて、「どの配達員に、どのオーダーを配送させるか」というスケジューリングと、最適な配送ルートを配達員に示すためのアルゴリズムの開発を行っている。テクノロジーを生かして、配送員により効率的にもうけてもらうのだ。

 飲食店に対してもネット決済や経営管理システムを提供。「高い人件費、高い賃料、高い材料費と低い粗利」という「三高一低」の構造問題を抱える飲食店を手助けすることで、企業側をもうけさせ、結果として消費者に魅力のあるサービスを提供するプラットフォームを作り上げたわけだ。

 美団の成長を促す2つのループをお分かりいただけただろうか。次回は主力サービスのフードデリバリーの強さについて見ていこう。