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 美団のビジネスモデルの核心は「2つのループ」にある。

 1つ目は「多頻度・低収益」サービスで顧客接点を強化し、「低頻度・高収益」サービスでもうけ、その利益を顧客接点強化に回していくループだ。

 顧客との接点となる主力サービスが、冒頭で示したフードデリバリーだ。スマホから自分がいる場所に料理を配達してくれる飲食店を選び、テンセントの「微信支付(ウィーチャットペイ)」やアリババの「支付宝(アリペイ)」を使ってオンライン決済。通常30分程で指定の場所に配達されるという。

 同国のフードデリバリー市場では美団の「美団外売」が競合の「餓了麼」(アリババグループ)を押さえて60%超のシェアを握る。

「美団外売」は中国のフードデリバリー市場で60%超のシェアを握る(写真:アフロ)

 もう一つ、顧客接点として生かすのがモビリティー(移動)サービスだ。18年にはシェア自転車サービスの草分け「摩拝単車(モバイク)」を買収。自動車の配車サービスにも取り組む。

 美団のアプリでレストランやホテルを予約した利用者に店舗までの移動手段を提供することで、利用者が「ワンストップ」で食事や旅行を楽しめるようにする狙いがある。

 ただし、こうしたフードデリバリーやモビリティーサービスは利用される頻度が高いものの利幅は薄い。フードデリバリーでは配達員を、シェア自転車では新品の自転車を確保する必要がある。つまり、投資先行型のビジネスだ。顧客を呼び込むためのクーポンの発行などにも資金は必要だ。