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 アリババ集団と騰訊控股(テンセント)に次ぐ中国プラットフォーマーとして存在感を高める企業がある。美団点評だ。日本ではまだなじみが薄いかもしれないが、同社は2010年に共同購入サイトの運営で創業。今では食品デリバリー、レストラン評価サイト、ライドシェアなど生活に根差した様々なサービスを展開する。そんな生活総合プラットフォームを構築した中国IT業界の「新星」には、成長を促す「2つのループ」があった。

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第2回美団点評はどう「ネットワーク効果」を引き出したのか

 新型コロナウイルスの感染が中国全土で広がっていた2020年2月。外出もままならない市民の食事を美団点評が支えていた。同社のフードデリバリーサービス「美団外売」。飲食店から料理を利用者の元に送り届ける。

2月11日、北京市内の住居区に料理を届けたマスク姿の美団外売の配達員。背後に「早期発見、早期報告、早期隔離、早期治療」のスローガンが見える(写真:ロイター/アフロ)

 新型コロナの感染拡大を受け、美団は「無接触配送」を配達員に求めた。配送した料理をマンションやアパートの門の外などに置き、電話やチャットアプリを通じて配達したことを注文した人に告げる。そもそも代金の支払いはオンライン決済。注文した人は配達員の知らせを受けて、料理を取りに行けばいい。

 中国から広がり、パンデミック(世界的な大流行)を引き起こした新型コロナ。今後、美団の業績にも大きく影響するはずだ。ただし、美団にはそうした「困難」を乗り越えるためのビジネスモデルがある。

 美団は2010年に共同購入サイトの運営からスタートした。15年に中国最大のグルメ口コミサイト「大衆点評」と合併。18年には香港市場への上場を果たした。手掛ける業務は、フードデリバリー、レストラン予約・評価サイトの運営、ライドシェア、ホテル・旅行サービス、映画チケット販売など幅広い。飲食を中心とした生活総合プラットフォーマーへの期待は高く、時価総額は3月27日時点で5170億香港ドル(約7兆2000億円)と、中国プラットフォーマーの二大巨頭、アリババとテンセントに次ぐ評価を得ている。