本連載では、米国の大学で経済学の博士号(Ph.D.)を取得し、国際通貨基金(IMF)でシニアエコノミストとして活躍する筆者が、エネルギー市場を担当してきた知見を踏まえつつ、経済学者の視点から気候変動が社会に及ぼす影響を考察していく。6回目は、二酸化炭素の排出を抑制するために必要な技術革新とはどのようなものかについて解説する。
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1回目地球温暖化は、人間の活動が原因だ
再生可能エネルギー実用化の壁を、どう乗り越えるか(写真:PIXTA)
再生可能エネルギー実用化の壁を、どう乗り越えるか(写真:PIXTA)

 化石燃料の消費による二酸化炭素排出量の伸びが今後20年間でどの程度抑制されるか、あるいは削減できるかは様々な要因にかかっている。重要なことは2つある。1つは技術革新で、もう1つは政策対応である。今回は、技術革新について述べたい。

 技術革新に関しては二酸化炭素回収活用技術(CCSU)、再生可能エネルギーと充電池(蓄電池)、そして水素活用の3つが重要な技術となると思われる。そのおのおのの技術革新の速度により、今後、どのエネルギー源が重要な役割を占めるようになるかが決まってくるだろう。

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この記事はシリーズ「国際エコノミストが斬る 気候変動の経済学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。