中途社員として入社した1人の女性社員が、こんな話をしてくれました。

 「ヤマチに入社して驚いたのは、幹部だけでなく若手社員までもが、会議で必ず『営業利益が今これくらいで……』と数字を把握した上で議論をしていたことです。日常会話の中で、売り上げや利益という言葉が普通に出てくる。これは、まずい!と思って、私も慌てて勉強しました(笑)」

 前職の会社では、経営状況が公表されておらず、売り上げや利益の詳細を社員が知ることはなかったと言います。ヤマチに入社した途端、入社1年目の若手社員が数字をベースに会話をしている。これは確かに、衝撃的だったのかもしれません。

答えは現場にある

山地 章夫[やまち・あきお]
山地 章夫[やまち・あきお]
これまでに累計120の事業を立ち上げ、現在は住宅関連、インテリア、介護、イベント、商社など50事業、売上高245億円のグループ経営を手がける「ヤマチユナイテッド」代表。1955年生まれ。家業の建材卸問屋を継ぎ、「連邦・多角化経営」で飛躍。2021年北海道新卒就職人気企業ランキング第10位。『新規事業と多角化経営』など著書多数(写真/吉田サトル)

 こんにちは。ヤマチユナイテッドの山地です。今月は、当社が25年ほど前から導入している全員参加型経営の仕組みについて、お話ししたいと思います。これを、我々は「システム経営」と呼んでいます。

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