キーワード ▶▶▶雇わない経営

重視するのは成果のみ 次世代型労働を先取り

業務の高度化、専門化が進む中、外部のプロを活用する企業が増えている。単純労働ではなく、営業やマーケティング、人事など戦略的業務を任せるのだ。正社員を雇わずに、外部と協働して経営する方法に関心が集まっている。

ピース・トゥ・ピースの大澤社長はこれまでに、2社の起業に携わっている。「プロ人材を活用した成果を実感してもらうことが、正社員をよしとする風潮を変えるきっかけになる」(大澤社長)(写真:鈴木愛子)

 将来にわたって社員の離職に悩まない対策としてヒントになるのが、人材紹介会社のピース・トゥ・ピース(東京・港)の経営だろう。それは「雇わない経営」と呼べるものだ。

 経営者の多くが正社員を重視する理由は何か。それは「社員との一体感」「安定した経営」「正社員のほうが働いてくれる」といった、今までの労働慣習から来る先入観や固定観念ではないかと大澤亮社長は指摘する。大手商社やコンサルティング会社のほか、中小企業で働いた経験や、過去2回の起業から得たのは、「結果が出せる人材ならば、正社員かどうかは関係ない」という結論だ。

 社員を雇うには、採用や育成のほか、労務管理にかかるコストも経営の大きな負担だ。やっと社員が独り立ちできるようになったのに、高離職率時代においてはすぐに退職することも珍しくない。

 そこで大澤社長は、今後の人口減少に対応する経営モデルの1つとして雇わない経営を目指した。

 正社員の数を抑えて、派遣社員やパート社員に頼る経営は、単純労働や特定技能を必要とする分野では既に多くの企業が取り入れている。だが、同社がユニークな点は、営業やマーケティング、人事、広報などの中枢の業務に、正社員ではなく専門知識を持つスタッフ25人を活用していること。

専門知識を持つプロ人材を採用・登録し、顧客企業に派遣する「キャリーミー」を展開する

 現在抱えている経営課題や業務に応じて、自社の人材紹介サービスに登録する専門スタッフを選び、業務委託の契約を結ぶ。6カ月間を委託の目安として、状況に応じて更新をしていくという。対価は仕事の条件によって異なる。

 こうした経営モデルを自社で採用しながら、人材紹介先の顧客企業300社にも推奨している。

(写真:鈴木愛子)
続きを読む 2/3 社員よりも解決が早い

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