人手不足でも採用が順調な会社はどんな条件を満たしているのか。会社の中を正直に見せ、自社の成長ビジョンも明確に示す。「自分が成長できる」と学生に感じさせるいい会社が求められている。

POINT
採用がうまくいく会社の条件
「自分は成長できる」と思える場所か

 中小企業の間で、採用が順調な会社とそうでない会社の二極化が進んでいる。人手不足などどこ吹く風と、数人の枠に数百人を集める会社がある一方で、予定人数の確保に苦戦する会社もある。

 両者を分けるのは、仕事を通じて自分を成長させたいという学生を引きつけられるかだ。

 こうした前向きな人材が集まれば、これからの時代を生き残るための組織力を高められる。

 村田ボーリング技研は、面接の中で自社をテーマに演劇やプレゼンテーションをしてもらうことで、会社の強みを応募者に理解させ、自らやりがい、成長性を見いだしてもらうことに成功している。

 村田ボーリングの採用を支援した、コンサルティング会社Legaseed(レガシード、東京・港)の近藤悦康(よしやす)社長は、採用がうまくいく会社の条件をいくつか挙げる。

インターンを活用する

 最初の条件は、会社の実態を正直に見せること。学生の選考を自社ではなく別会場で開き、自社を格好よく見せるような採用活動はもう通用しないという。

 会社の欠点をごまかしても、入社後にギャップを感じて辞めてしまうのでは意味がない。「説明会の内容と実態に開きがあった」などとSNSで発信する学生もいるので、自社を飾り立てて見せることは百害あって一利なしである。

 会社のリアルを正直に見せる方法の一つは、学生に浸透したインターンを活用することだ。

 就職情報サービスのマイナビ(東京・千代田)が2019年11月に発表した調査結果によると、同社サービスに10月時点で登録していた学生の84.9%がインターンをしたことがあり、平均では3.2社を経験しているという。

 インターンを経て入社を決める学生は今後ますます増えそうだ。「インターンでいい会社があれば3年生のうちに就職先を決めてしまいたいという学生が出てきた。それを受け、経団連の縛りがない中小企業の中には、大企業が動く前に早期内定を出そうという動きがある」(近藤社長)。

 インターンを通じて、学生に自社の良さをしっかり伝えられれば、中小企業のチャンスが増えるというわけだ。そのために、インターンは半日程度で済ませるのでなく、2〜5日以上かけて現場を実際に体験できるほうがよい。

 第2の条件は、会社の将来像を示すビジョンや経営理念を学生にしっかり伝えること。インターンで会社の実際を見せたとき、中小企業は大企業に比べるとあらが目立つかもしれない。今はできていなくても、将来は会社をどう変えていくつもりかを社長自らビジョンとして示すと、「一緒に会社の新たな姿をつくっていこう」という呼びかけが説得力を持つ。

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