原材料高や円安を背景に物価の上昇が顕著になり、企業に対する賃上げへの期待はますます高まっている。コロナ禍で停滞していた経済活動が回復するにつれて、以前から懸案だった人手不足はさらに厳しくなっており、賃上げできない企業は存続もおぼつかない時代に突入した。給料を上げて優秀な人材を確保し、成長へとつなげる。今年こそ、そんな好循環への一歩を踏み出そう。

<特集全体の目次>
・「社員に1円でも多く払いたい」と公言 横浜市のさくら住宅
・坂本光司氏「賃上げの追求は経営の目的の1つで間違いない」
・「増収増益増賃金」を実現するための7つのステップ
実践編
「増収増益増賃金」を実現するための7つのステップ
「賃上げの必要性は分かる。でも、その原資がない」という経営者は多いだろう。具体的にどのように賃上げを実現すればいいのか。古田土経営の飯島彰仁社長が7つのステップを解説する。

坂本先生が指摘されている通り、賃金を上げなかったらまずいということは皆さん、認識していると思います。では具体的にいかに賃金を上げ、増収増益を実現していくのか。「増収増益増賃金の7ステップ」を伝授します。
ステップ1は昇給です。賃金を先に上げてしまおうという発想です。昇給できる目安を把握し、決定を下します。
まず、いくら昇給させるか。坂本先生がおっしゃっている通り、年齢×15が目標とすべき年収です。ただ、年齢や地域などに応じて、現実的に対応する必要があります。また給料は上げたら下げられません。ですので、上げすぎず、低すぎずが大事です。
いつから昇給させるのかについては、7月からが目安です。理由は社会保険料で、一般的には4月から6月の報酬の平均から計算し、改定されます。ただし、給与は生活給であり、物価はすでに高騰しています。私たちのスタンスとしては、可能ならすぐやろう、です。
いつまでにステップを完了させるかは、遅くても5年以内となります。いきなり事業構造は変わりません。まず給料を上げ、そのやりくりをするためにも、5年で高収益型の事業構造を設計することが大事です。
上げたら下げられないので踏み切れないという会社もあるかと思います。その場合は賞与から始めるのはどうでしょうか。より安全に決算賞与という形もあります。
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