生産性を上げる緊急提言
新型コロナで経済が揺れる中、「中小企業再編論」が持ち上がってきた。弱い中小企業を救う体力は、もはやこの国には残っていないかもしれない。だが、中小企業はまだまだ生産性を上げられる。2021年は勝負の年だ。
このスコアは1から100まであり、値が小さいほど、休廃業・解散確率が高まる。ここで掲載した数字は、スコアが1~20の企業の比率を都道府県別に見たもの。2020年11月末時点
<特集全体の目次>
●「明るい廃業」を訴える、神奈川県湯河原町長の真意
●「三方良し」「祖業売却」の独自M&Aに活路
スワニー・橋爪良博社長「分業を無くせば最強の事業になる」
上川大雪酒造・塚原敏夫社長「大学構内に酒蔵をつくった理由」
良品計画・金井政明会長「まだ国内には3000店は出せる」
●中小企業ならではの強さを開花させる「仕事改革」とは
同業72社がシェアする、車解体会社の生産性向上システム
「現場監督の仕事はこうだ」という常識を取り払った建設塗装会社
異色の高学歴大工集団「面白い仕事ができるから、人が集まる」
●世界で稼ぐ猛者はここが違う 中小企業改革はドイツに学べ
小商圏深掘り型でブランド構築
北海道上川町で2017年春、日本酒造りを始めた上川大雪酒造の塚原敏夫社長は、独自の戦略で付加価値を上げる。「売り上げ増を狙う大量生産より、品質のための少量生産」「東京を目指すより、地域密着」「大型ブランドを1つ作る富士山型より、特徴あるブランドを複数持つ連峰型」。支持してくれる顧客を引きつけ、持続力のある強さをつくり出す小商圏深掘りの仕組みを聞いた。

酒蔵を造る前は、上川町が観光施設内に開いたレストランをプロデュースしたフランス料理シェフ、三國清三氏に誘われてその運営をしていたそうですね。
塚原:ええ、そうです。牧場跡に12年に開いたレストランを運営していました。観光客が中心なのですが、さすがに冬場はお客さんが来ない。それで何か新しい事業を立ち上げないと、やっていけないなと考え始めたのです。
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