大阪技研
エンジン開発縮小で21年春、破産を決定。技術はあったが、大変化に抗しきれず

21年4月、自動車のエンジンなどの部品を鋳造する機械と金型を開発・製造してきた大阪技研(大阪府松原市)が破産した。
1964年、父親が親戚と一緒に創業して以来、約半世紀。当初は鋳造品を生産していたが、やがてその製造機械の開発を始め、ホンダや三菱自動車、韓国・現代自動車、中国・重慶長安自動車など内外の大手自動車メーカーのエンジン開発にも採用されてきた。
だが、ここ3、4年、環境は大きく変わってきた。欧米、中国で電気自動車(EV)へのシフトが動き出し、ガソリンなどのエンジン車への自動車メーカーの開発姿勢に変化が表れ始めたのだ。
「ホンダのエンジン開発プロジェクトに絡んで2020年3月までに受注するはずだった鋳造機製造が1年延期になり、21年2月には正式に中止になった。この先もエンジン関連の受注は、減っていくばかりと考えざるを得なかった…」。大出(おおで)竜三・元社長は、そこで事業の継続を諦めたという。
きっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大による自動車生産の急縮小だったが、大出元社長の目には、EV化は巨大な奔流になりつつあるように見えたのだ。
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