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さまざまな業種でブレザー型のユニフォームを確立したメーカー。業界屈指の最新設備に投資を続け、市場をリードしながら成長を続けた。だが、仕事着のカジュアル化で市場が縮小。借入金の返済が難しくなった。

大阪市内の一等地に立つサンリット産業の本社(写真:水野浩志)

 民間企業や官公庁のユニフォームを製造していたサンリット産業(大阪市)。同社は2019年10月1日、大阪地方裁判所から破産手続きの開始決定を受けた。東京商工リサーチによると、負債総額は約33億5700万円。

 先代が大阪商工会議所の副会頭まで務めた会社の倒産は、ユニフォーム業界ばかりではなく、関西経済界にも大きな驚きを与えた。

 同社と長年取引関係にあった販売店Aの代表は、「継いだときには経営悪化が進んで債務超過を打開する独自の策も打ち出せなかった。小池顕三社長は気の毒だったとしか言いようがない」と証言する。

 同社は1966年、大阪で創業。顕三社長は、現会長で父の俊二氏を継いで2008年に就任。経営のバトンは引き継いだが、代表権は5年前まで俊二氏と顕三社長が両方持っていた。

 サンリット産業の顔といえば、先代の俊二会長だったという。

企業のブレザー型制服などに強みがあった

 同社は、工業用ミシンなどを製造するJUKIに勤めていた俊二会長が独立して創業。当時まだ珍しかった合成繊維を使ったブレザー型のユニフォームを生み出し、急速に成長していった。

 農業協同組合(現JAグループ)への納入を皮切りに、国鉄(現JRグループ)職員の制服も手がけた。その傍ら、大阪や愛知などの万国博覧会のほか、国民体育大会などイベント関連のユニフォームも請け負い、さまざまな場にブレザー姿を定着させた。

 「作業着とは違うブレザー型の制服という新しい分野を確立した会社として、ユニフォーム業界でサンリットの名前を知らない人はいないだろう」(業界紙の記者)。