生産性向上、生産革新活動、カイゼン──。さまざまな呼ばれ方をしている改善活動に、あなたの会社は取り組んでいるだろうか。

 改善活動の有無は、同じような製品やサービスを同じような価格で提供している2社を、きちんと利益が出る会社と、利益が出せない会社に分けてしまう。

 一見すると同じでも、生産工程や業務フローにおいて、日々積み重ねてきた小さな工夫が隠れているからだ。その差が平時には利益として表れ、非常時には対応力として表れる。

 住宅用木材の加工が主力事業で、工務店も手がける長谷川萬治商店は、グループ全体で売り上げが100億円規模になる。長谷川泰治社長は、毎月工場に出向き、自分の足で歩き回って、改善が必要だと感じた場所を写真に収め続ける。さらに、現場の改善報告を部下任せにせず、自分で受ける。

 同社の改善活動は工場だけではない。すべての会社にあるだろう営業や総務、経理などの部門でも、改善活動を続けている。事例だけでなく背景の思想も含めて紹介する。

(写真=菊池一郎)
(写真=菊池一郎)



言葉を定義し、社長自ら見回る

長谷川萬治商店(東京・江東)では生産現場だけでなく、事務系の職場でも改善を進める。そのためにキーワードを定め、言葉の定義までつくり込む。長谷川社長自ら現場を見回り、報告を受けることで、本気度を伝える。

生産性改善については多くのアプローチがある。長谷川萬治商店では、PEC協会の経営コンサルタントの山田日登志氏と、長谷川社長が2009年まで勤めていたソニーの考え方を基盤にしている。キーワードは大きく3つある。「2S」「ECRS」「4T+2K」だ。

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