中小企業でデジタル対応を進めるための鍵は、まず社長自身が「経営を変える」という意識を強く持つこと。そして、社長を中心に社員や従業員などの意識変革ができれば、デジタル対応が少しずつはかどるようになる。ただ、デジタルに対する社員や自分自身の苦手意識が根強く、及び腰の姿勢から脱却できないと悩む社長も多いはず。取材から見えてきた、「デジタル苦手意識」を変える3つのコツを紹介する。

意識を変えるコツ(1)
スマートウェブ 「同業のチームを組んで補い合う」

 社長自身の苦手意識を変えるには、ピアスなど女性向けアクセサリーを実店舗やネットで販売する、スマートウェブ(東京・港)の清田茂社長の経験が生かせそうだ。

理解不能でも仲間と共に
ITの勉強会に通い続けた
ピアスの拾い出しをするスマートウェブの女性スタッフ。左腕のスマホに情報を表示して商品を探し、左手の指に付けたセンサーでバーコードを読み、商品間違いを防ぐ(写真/大亀京助)

 同社は、大阪駅前のオフィスビルに商品出荷やウェブサイト制作の拠点を置く。出荷ミスを防ぐ管理システムと商品を封筒に詰める自動梱包装置を連動させた仕組みをつくり、出荷間違いを半減させた。

 清田社長は20年近くアクセサリー販売一筋で、デジタルの知識はほぼなかった。この出荷の仕組みを実現できたのは「同業他社と一緒にチームで学んだ」からだ。ネット販売会社の業界団体やITベンダーが開催する説明会に参加し、デジタル対応に関心を持つ経営者の仲間を増やしてチームをつくる。仲間がそれぞれのアンテナで便利そうなシステムやツールの勉強会を見つけては「仕事に使えそうな道具がある」と知らせ合った。

 「勉強会に出席しても当初は全く分からなかったが、通い続けて仲間と理解できた内容を話し合うことで、デジタルに対する感覚の土台ができた」と清田社長は振り返る。仲間と一緒なら途中で投げ出すことも少ない。

意識を変えるコツ(2)
中島工業 「仕事に役立つ身近な例を示す」

 一方、仕事のデジタル化に前向きにならない社員を巻き込むには、仕事に役立つとまず実感させることが早道といえる。

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