老舗の酒蔵で経営改革を断行した若手経営者、平和酒造(和歌山県海南市)の山本典正氏。このシリーズ対談では、若きトップの目を通じて中小企業の新たな道筋を考える。

 今回の対談相手は、マクアケ(東京・渋谷)の中山亮太郎社長。企業や個人がインターネット上で、新商品開発などのプロジェクト単位で資金を集めて商品化を目指すクラウドファンディングを手がける。

 創業6年半で東証マザーズに上場した背景には、自律型社員が集う組織力があった。

社員が自主的に社内向けの 24時間テレビを放映していた
企業文化を大切にしてきたい、と語る中山氏(右)と山本氏(左)

山本:実は中山さんとは数年前、起業家の方々との会合で知り合って以来のお付き合いです。昨年はマクアケ主催の日本酒イベントで、日本酒業界の課題などについて話もさせていただきました。

 そうした中で強く感じるのは、社員一人一人に中山さんの考え方が浸透し、非常に自律的に社員が動いているということです。離職率もかなり低いと聞きました。今日はこれらの点についてお伺いしたいと思っています。

 その前に……日本酒業界の人間として気になるのですが、現在マクアケが扱っている日本酒はどのくらいあるのですか?

人生を豊かにするために 会社にフルダイブしてほしい
中山亮太郎(なかやま・りょうたろう)
1982年東京都生まれ。慶応義塾大学卒業。2006年にサイバーエージェントに入社。社長アシスタントやメディア事業の立ち上げを経て、10年から、ベトナムにベンチャーキャピタリストして赴任。13年、サイバーエージェント・クラウドファンディング(現マクアケ)を設立し、社長に就任。19年12月、東証マザーズ上場(写真/小野さやか)

中山:2013年の創業以来、テクノロジー、食品、ファッション、映画、伝統行事など活用ジャンルが広がり、日本酒関連のプロジェクトも多くなっています。

 蔵数でいうと累計で200前後でしょうか。年間で数億円の取扱い額になっていますね。

 歴史の長い蔵が多いので、「最高齢の杜氏が復活しました」などのストーリー性や、何百年と培われてきた技術が人々を魅了し、応援購入率も高いです。

 今後、マクアケは本腰を入れてグローバル化を目指しますが、日本酒は世界で戦える商品だと感じます。

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